暗号資産(仮想通貨)を自分で管理するには、MetaMaskなどのウォレットを用意し、復元用のシードフレーズ(リカバリーフレーズ)を書き留めてから、取引所の口座から資産を送る必要があります。手順を文字にすると数行で済みますが、実際には画面の意味やネットワークの選び方で手が止まりやすい作業です。株式会社Claboは、暗号資産の保有経験がある300人を対象に調査を行いました。そのうちウォレットを使える状態まで用意した136人に聞くと、はじめての準備を一度で終えた方は22.1%にとどまりました。本記事では、準備・入金・送金の各段階で起きていることと、送金の仕組みについての3つの正誤問題の結果を紹介します。

この調査でわかったこと

  • ウォレットを使える状態まで用意した136人のうち、はじめての準備を一度で終えた方は22.1%(30人)でした。途中で中断した方は70.6%(96人)で、そのうち30人は日を改めて再開しています。
  • 同じ136人のうち、用意したウォレットにまだ入金していない方は35.3%(48人)でした。
  • 送金の仕組みを尋ねた3つの正誤問題の正答率は、アプリを削除したときの資産が54.9%、手数料(ガス代)の支払先が42.1%、対応していないネットワークへ送った場合が26.2%でした(いずれも164人が分母)。手数料については、「ウォレットを提供している会社」「送金先の取引所」と答えた方も合わせて42.1%(69人)いました。
  • ウォレットから送金したことがある77人のうち、テスト送金をしている方は83.1%(64人)です。ただし、いつも必ずしている方は45.5%(35人)でした。
  • 暗号資産の保有経験がある300人のうち、取引所の口座とは別に、自分で管理するウォレットを用意した、または用意しようとした方は54.7%(164人)でした。残る45.3%は、用意したことも、用意しようとしたこともありません。

これからウォレットで送金しようとしている方は、記事の後半にある【確認リスト】ウォレットで送金する前に確かめたい4つのことから先にお読みください。

本調査の分母

  • 回答者 300人(自分で管理するウォレットを用意した経験の分母)
  • └ ウォレットを用意した、または用意しようとした 164人(54.7%)=ウォレットの種類・手が止まった箇所・シードフレーズの記録・正誤問題の分母
  • └ そのうち、使える状態まで用意した 136人=準備にかかった時間・一度で終えたか・入金したことがあるかの分母
  • └ そのうち、ウォレットに入金したことがある 78人=アドレスの確認回数・送金前の不安の分母です。テスト送金の設問は、ウォレットから送金したことがない1人を除いた 77人が分母です。
  • 用意しようとして途中でやめた28人には、やめた段階を尋ねました。分母が50人を下回るため参考値として扱います。

一度では終わらないウォレットの準備

ここでいうウォレットは、取引所が管理する口座の機能ではなく、MetaMaskのように自分で鍵を管理するものを指します。そのウォレットを用意した経験を尋ねたところ、「用意して、今も使っている」は31.0%(93人)、「用意したが、今はほとんど使っていない」は14.3%(43人)、「用意しようとしたが、途中でやめた」は9.3%(28人)でした。一方で、最も多かったのは「用意したことも、用意しようとしたこともない」の45.3%(136人)です。

自分で管理するウォレットを用意した経験(単一回答/分母=回答者300人)

回答

%

人数

用意して、今も使っている

31.0%

93

用意したが、今はほとんど使っていない

14.3%

43

用意しようとしたが、途中でやめた

9.3%

28

用意したことも、用意しようとしたこともない

45.3%

136

用意した(しようとした)ウォレットは、MetaMask(35.4%)、Trust Wallet(31.7%)、Ledgerなどのハードウェアウォレット(26.8%)、Phantom(25.0%)が上位に並びました。本調査は利用の事実を数えたもので、製品の使いやすさや優劣を比べたものではありません。ウォレットの種類ごとの違いは暗号資産ウォレットの種類で、取引所の口座開設で手が止まりやすい箇所は口座開設でつまずいたポイント調査で扱っています。

用意した(用意しようとした)ウォレット(複数回答/分母=ウォレットを用意した・用意しようとした164人)

ウォレット

%

人数

MetaMask(メタマスク)

35.4%

58

Trust Wallet(トラストウォレット)

31.7%

52

Ledger(レジャー)などのハードウェアウォレット

26.8%

44

Phantom(ファントム)

25.0%

41

その他

5.5%

9

名前までは覚えていない

14.6%

24

一度で終えたのは22.1%

使える状態まで用意した136人に、はじめての準備にかかった時間を尋ねました。途中で中断した時間を除き、実際に作業していた時間だけで答えてもらっています。最も多かったのは「10分以上30分未満」の44.9%(61人)です。ほかは「10分未満」が11.0%(15人)、「30分以上1時間未満」が24.3%(33人)、「1時間以上」が9.6%(13人)でした。

はじめてウォレットを使える状態にするまでの作業時間(単一回答/分母=使える状態まで用意した136人)

作業時間

%

人数

10分未満

11.0%

15

10分以上30分未満

44.9%

61

30分以上1時間未満

24.3%

33

1時間以上

9.6%

13

覚えていない

10.3%

14

作業そのものは長くないものの、一度で終わった方は多くありません。準備を一度で終えた方は22.1%(30人)で、「途中で中断したが、同じ日のうちに再開して終わった」が48.5%(66人)、「途中で中断し、日を改めて再開して終わった」が22.1%(30人)でした。中断した方は合わせて70.6%(96人)にのぼります。

はじめてのウォレット準備の完了状況(単一回答/分母=使える状態まで用意した136人)

回答

%

人数

一度で終わった

22.1%

30

途中で中断したが、同じ日のうちに再開して終わった

48.5%

66

途中で中断し、日を改めて再開して終わった

22.1%

30

覚えていない

7.4%

10

ウォレットの準備は、アプリを入れる、パスワードを決める、シードフレーズを書き留めるといった作業を順に進めるものです。途中で調べものをしたり、紙とペンを用意したりするうちに手が止まることは珍しくありません。MetaMaskの始め方と初期設定の流れは、メタマスク(MetaMask)とはで画面に沿って解説しています。

手が止まった箇所とシードフレーズの記録

ウォレットを用意した、または用意しようとした164人に、分かりにくかった箇所や手が止まった箇所を複数回答で尋ねました。「特に困らなかった」と答えた方は7.3%(12人)でした。各工程の回答は次の表のとおりです。

ウォレットの用意や初期設定で、分かりにくかった・手が止まった箇所(複数回答/分母=ウォレットを用意した・用意しようとした164人)

箇所

%

人数

どのウォレットを選べばよいか

28.7%

47

公式サイトや正規のアプリの見分け方

28.7%

47

初期設定の画面の意味(英語表記など)

28.7%

47

シードフレーズ(復元用の言葉)の記録

23.2%

38

ネットワーク(チェーン)の選択や追加

26.8%

44

取引所からウォレットへの入金のやり方

28.7%

47

手数料(ガス代)の用意

20.7%

34

特に困らなかった

7.3%

12

シードフレーズの記録について、最も近いものも尋ねました。表示されたその場で記録した方は25.6%(42人)、いったん後回しにしてあとで記録した方は28.7%(47人)で、後回しにしたまま記録していない方も25.6%(42人)いました。

シードフレーズの記録(単一回答/分母=ウォレットを用意した・用意しようとした164人)

回答

%

人数

表示されたその場で記録した

25.6%

42

いったん後回しにし、あとで記録した

28.7%

47

後回しにしたまま、記録していない

25.6%

42

記録を求められた記憶がない

6.7%

11

その画面まで進まなかった

6.7%

11

覚えていない

6.7%

11

シードフレーズは、ウォレットを別の端末で復元するための言葉で、アプリを消したり端末をなくしたりしたときに資産へたどり着く手段は、基本的にこの言葉だけになります。どこで確認できるかはシードフレーズはどこで確認できる?で、ほかの方がどこに保管しているかはシードフレーズの保管実態調査で紹介しています。

用意しようとして途中でやめた28人には、やめた段階も尋ねました。人数が少ないため参考値ですが、「ウォレットに入金しようとする段階」が9人で最も多く、「アプリを入れる、または初期設定を始める段階」が6人、「どのウォレットを使うか選ぶ段階」が4人でした。

途中でやめた段階(単一回答/分母=用意しようとして途中でやめた28人・参考値)

段階

%

人数

どのウォレットを使うか選ぶ段階

14.3%

4

アプリを入れる、または初期設定を始める段階

21.4%

6

シードフレーズを記録する段階

3.6%

1

ウォレットに入金しようとする段階

32.1%

9

ウォレットから送金しようとする段階

10.7%

3

覚えていない

17.9%

5

用意したあとの入金と送金

入金していない人は35.3%

使える状態まで用意した136人に、そのウォレットへ暗号資産を入金したことがあるかを尋ねました。「入金したことがある」は57.4%(78人)で、「用意しただけで、入金はしていない」は35.3%(48人)でした。

用意したウォレットへの入金経験(単一回答/分母=使える状態まで用意した136人)

回答

%

人数

入金したことがある

57.4%

78

用意しただけで、入金はしていない

35.3%

48

覚えていない

7.4%

10

ウォレットは、取引所から資産を移してはじめて、自分で管理する役目を果たします。用意したまま入金していない場合、資産は取引所に預けたままです。長期で保有する方が資産を取引所に置いたままにしている実態は、長期保有派の保管実態調査で扱っています。

送金前のテスト送金とアドレスの確認

テスト送金とは、まとまった額を送る前に少額だけを送り、相手に届いたことを確かめてから残りを送る方法です。ウォレットから送金したことがある77人のうち、テスト送金をしている方は83.1%(64人)でした。内訳は「必ずテスト送金をしている」が45.5%(35人)、「金額が大きいときだけテスト送金をしている」が37.7%(29人)です。「テスト送金はしていない」は14.3%(11人)、「テスト送金という方法を知らない」は2.6%(2人)でした。

送金前のテスト送金の習慣(単一回答/分母=ウォレットから送金したことがある77人)

回答

%

人数

必ずテスト送金をしている

45.5%

35

金額が大きいときだけテスト送金をしている

37.7%

29

テスト送金はしていない

14.3%

11

テスト送金という方法を知らない

2.6%

2

わからない

0.0%

0

ウォレットに入金したことがある78人に、送り先のアドレスを確認する回数を尋ねると、「2回から3回」が52.6%(41人)で半数を超えました。「特に確認しない」は10.3%(8人)でした。

送金するときに送り先のアドレスを確認する回数(単一回答/分母=ウォレットに入金したことがある78人)

回数

%

人数

特に確認しない

10.3%

8

1回

23.1%

18

2回から3回

52.6%

41

4回以上

14.1%

11

数えていない

0.0%

0

送金ボタンを押す直前に不安に感じたことも、複数回答で尋ねました。「アドレスが合っているか」が44.9%(35人)で、「ネットワーク(チェーン)の選択が合っているか」と「途中で消えてしまわないか」がともに39.7%(31人)でした。「特に不安はなかった」は2.6%(2人)で、ほとんどの方が、送金の直前に何かしらの不安を感じています。

送金ボタンを押す直前に不安に感じたこと(複数回答/分母=ウォレットに入金したことがある78人)

不安に感じたこと

%

人数

アドレスが合っているか

44.9%

35

ネットワーク(チェーン)の選択が合っているか

39.7%

31

手数料がいくらかかるか

34.6%

27

届くまでにどのくらい時間がかかるか

28.2%

22

途中で消えてしまわないか

39.7%

31

取り消しややり直しができないこと

34.6%

27

特に不安はなかった

2.6%

2

本調査で尋ねたのは送金の前の行動と気持ちで、実際に起きた送金トラブルの割合は尋ねていません。送金で実際にどのようなトラブルが起きているかは、送金トラブルの実態調査で紹介しています。

送金の仕組みの理解|正答率は26.2%〜54.9%

ウォレットを用意した、または用意しようとした164人に、送金の仕組みについて3つの正誤問題を出しました。回答画面では用語の解説を表示せず、その時点での理解をそのまま答えてもらっています。

対応していないネットワークへ送った場合|正答26.2%

ネットワーク(チェーン)とは、送金を記録するブロックチェーンのことです。同じ暗号資産でも複数のネットワークで扱われていることがあるため、送る側と受け取る側で同じネットワークを選ぶ必要があります。

この問題では、受け取り側が対応していないネットワークを選んで送ってしまった場合にどうなるかを尋ねました。正解の「相手が受け取れず、取り戻せない場合がある」を選んだ方は26.2%(43人)で、3問のなかで最も低い正答率です。「自動的に正しいネットワークへ振り替えられる」が29.3%(48人)、「送金が始まらず、資産は手元に残る」が27.4%(45人)でした。

対応していないネットワークへ送った場合の結果(単一回答/分母=ウォレットを用意した・用意しようとした164人)

回答

%

人数

自動的に正しいネットワークへ振り替えられる

29.3%

48

送金が始まらず、資産は手元に残る

27.4%

45

相手が受け取れず、取り戻せない場合がある(正解)

26.2%

43

わからない

11.0%

18

時間はかかるが、最終的には必ず届く

6.1%

10

「自動的に振り替えられる」と「最終的には必ず届く」は、合わせて35.4%(58人)でした。どちらも、送った資産が最終的には相手に届くと考えている点で共通しています。MetaMaskの公式ヘルプは、受け取り側がイーサリアムと同じ仕組みで動かないネットワークだった場合について、送ったトークンは「失われた可能性が高い」と説明しています(MetaMask公式ヘルプ「Funds sent on wrong network」)。取引所への入金でも、Binanceは、別のネットワークで入金すると資産を失う可能性があり、回収は保証されないとしています(Binance公式ブログ)。

ただし、間違えたら必ず失うわけではありません。同じMetaMaskのヘルプによると、受け取り側も自分で管理するウォレットで、PolygonやArbitrumのようにイーサリアムと同じ仕組みで動くネットワークどうしであれば、同じシードフレーズから同じアドレスが作られます。そのため、受け取り側がネットワークを切り替えれば取り戻せます。正解の選択肢が「取り戻せない場合がある」となっているのはこのためです。一方で、資産を失うことがある以上、送金が始まる前に必ず止まるとも限りません。「送金が始まらず、資産は手元に残る」と考えて確認を省くことはできません。送金ミスが起きたあとに確認すべきことは、暗号資産の誤送金は取り戻せる?で解説しています。

手数料(ガス代)の支払先|正答42.1%

送金のときにかかる手数料(ガス代)が、主にどこへ支払われるかを尋ねました。正解の「取引を処理するブロックチェーンのネットワーク」を選んだ方は42.1%(69人)です。一方で、「ウォレットを提供している会社」が26.2%(43人)、「送金先の取引所」が15.9%(26人)で、この2つを合わせた42.1%(69人)は、正答した方と同じ人数でした。

送金手数料(ガス代)の支払先(単一回答/分母=ウォレットを用意した・用意しようとした164人)

回答

%

人数

取引を処理するブロックチェーンのネットワーク(正解)

42.1%

69

ウォレットを提供している会社

26.2%

43

送金先の取引所

15.9%

26

わからない

12.2%

20

送金を受け取る相手

3.7%

6

イーサリアムを例にとると、手数料は基本手数料(base fee)と優先手数料(チップ)に分かれます。基本手数料は取引がブロックに記録される時点で誰にも渡らずに消え(バーン)、優先手数料は取引を確認して記録する参加者(バリデーター)が受け取ります(Ethereum.org「Gas and fees」)。多くのウォレットは推奨される手数料を自動で設定して画面に表示しますが、その手数料を受け取るのはウォレットの提供会社ではありません。ガス代がいつ、どのくらいかかるかは暗号資産の「ガス代」とはで説明しています。

アプリを削除したときの資産|正答54.9%

自分で管理するウォレットのアプリを端末から削除したとき、中の資産がどうなるかを尋ねました。正解の「シードフレーズがあれば、別の端末で復元できる」を選んだ方は54.9%(90人)で、3問のなかでは最も高い正答率です。それでも、「アプリと一緒に資産も消える」と答えた方が23.8%(39人)、「提供元の会社に連絡すれば元に戻してもらえる」と答えた方が8.5%(14人)いました。

ウォレットアプリを削除した場合の資産(単一回答/分母=ウォレットを用意した・用意しようとした164人)

回答

%

人数

シードフレーズがあれば、別の端末で復元できる(正解)

54.9%

90

アプリと一緒に資産も消える

23.8%

39

わからない

12.8%

21

提供元の会社に連絡すれば元に戻してもらえる

8.5%

14

MetaMaskでは、シードフレーズを「シークレットリカバリーフレーズ」と呼んでいます。公式サポートは、この言葉を使えば同じ端末でも別の端末でもウォレットを復元できると説明する一方で、MetaMaskがユーザーに代わってウォレットを復元することはできないと明記しています(MetaMask公式サポート)。アプリを消しても資産は消えませんが、取り戻すには、基本的にシードフレーズが必要です。控えの残し方と避けたい保管方法は、暗号資産ウォレットのバックアップ方法で紹介しています。

【確認リスト】ウォレットで送金する前に確かめたい4つのこと {#check-list}

本調査で手が止まりやすかった工程と、正誤問題で誤解が多かった点を、作業の順に並べました。すでにウォレットを使っている方も、次に送金する前に確かめてみてください。

A:シードフレーズの記録

  • シードフレーズの控えが手元にあるかを確かめてください。控えがなく、ウォレットの設定画面から再表示できる場合は、送金の前に書き写してください。再表示の方法はシードフレーズはどこで確認できる?で紹介しています。
  • これから用意する方は、準備を途中で中断してもかまいません。ただし、シードフレーズの記録だけは表示されたその場で済ませてください。
  • アプリを消しても資産は消えませんが、取り戻すには基本的にシードフレーズが必要で、提供会社に連絡しても復元してもらえません。この問題の正答率は54.9%でした。

B:受け取り側のネットワーク

  • 送金画面で選んだネットワークが、取引所の入金画面や相手のウォレットに表示されているネットワークと同じかを確かめてください。
  • 対応していないネットワークへ送ると、取り戻せない場合があります。この問題の正答率は26.2%で、3問のなかで最も低い結果でした。

C:送金前の手数料の確認

  • 送金画面に表示された手数料(ガス代)の額を見て、その支払いに使う暗号資産(イーサリアムならETH)が、送る分とは別にウォレットに残っているかを確かめてください。
  • 手数料は取引を処理するネットワーク側に支払われるもので、ウォレットの提供会社の取り分ではありません。支払先を正しく答えた方は42.1%でした。

D:テスト送金とアドレスの見直し

  • まとまった額を送る前に、少額のテスト送金で届くことを確かめてください。送金したことがある方のうち、テスト送金をしていない方は14.3%、方法を知らない方は2.6%でした。
  • 送り先のアドレスは、送金ボタンを押す前にもう一度見直してください。入金したことがある方のうち、アドレスを「特に確認しない」と答えた方は10.3%でした。

まとめ:一度で終わらない準備と、残る誤解

暗号資産の保有経験がある方のうち、自分で管理するウォレットを用意した、または用意しようとした方は54.7%でした。使える状態まで用意した方でも、はじめての準備を一度で終えたのは22.1%で、70.6%は途中で中断しています。さらに、用意した方の35.3%は、まだウォレットに入金していません。ウォレットを用意してから実際に使い始めるまでにも、もう1つ段差があります。

送金の仕組みについての理解も、十分とはいえません。対応していないネットワークへ送った場合の正答率は26.2%で、手数料の支払先をウォレットの提供会社や取引所だと考える方も42.1%いました。アプリを削除したときの資産は54.9%が正しく答えましたが、それでも23.8%は「アプリと一緒に資産も消える」と考えています。

一方で、送金したことがある方の83.1%はテスト送金をしており、送金の前に慎重になろうとする姿勢は見えます。確かめたい点は確認リストの4項目にまとめていますので、次の送金の前にお使いください。

調査概要と数値の読み方

調査名:ウォレットの初期設定・基本操作のつまずき実態調査

調査主体:株式会社Clabo

調査方法:インターネットリサーチ(モニタパネル)

調査期間:2026年9月16日

調査対象:暗号資産を現在保有している、または過去に保有していた方

有効回答数:300(うち、自分で管理するウォレットを用意した、または用意しようとした164人に詳しく尋ねました)

回答者の構成:回答者300人は、男性236人(78.7%)、女性64人(21.3%)です。年代は40代28.7%、50代26.7%、60代以上21.7%、30代16.3%、20代6.7%で、40代以上が77.0%を占めます。既婚59.0%・未婚41.0%で、職業は会社員(正社員)が58.3%です。

次の3つの表は、ウォレットを用意した、または用意しようとした164人の回答です。

暗号資産の投資歴(単一回答/分母=ウォレットを用意した・用意しようとした164人)

投資歴

%

人数

半年未満

6.7%

11

半年以上1年未満

28.7%

47

1年以上3年未満

31.7%

52

3年以上5年未満

15.9%

26

5年以上

17.1%

28

現在の暗号資産の保有額(単一回答/分母=ウォレットを用意した・用意しようとした164人)

保有額

%

人数

10万円未満

13.4%

22

10万円以上50万円未満

28.7%

47

50万円以上100万円未満

32.3%

53

100万円以上500万円未満

12.8%

21

500万円以上

8.5%

14

現在は保有していない

4.3%

7

暗号資産の投資スタイル(単一回答/分母=ウォレットを用意した・用意しようとした164人)

投資スタイル

%

人数

長期保有が中心

36.0%

59

数か月単位の売買

43.9%

72

短期売買が中心

8.5%

14

決めていない

11.6%

19

数値の読み方について、7点を補足します。

  • 本調査は設問ごとに分母が変わります。回答者300人、ウォレットを用意した・用意しようとした164人、使える状態まで用意した136人、入金したことがある78人、送金したことがある77人(入金したことがある78人から、ウォレットから送金したことがない1人を除いた数)、途中でやめた28人の6種類がありますので、割合はすべて何を100%としたかを明示しています。とくに、300人の回答者のうち136人は、ウォレットを用意した経験の設問のあと、ほかの設問には答えていません。
  • 正誤問題(ネットワーク・手数料・アプリの削除の3問)の正解は、本記事で示したウォレットの公式情報やイーサリアムの公式資料に基づいて判定しています。
  • 手が止まった箇所と正誤問題の回答は、回答者ごとに突き合わせていません。「ネットワークの選択で手が止まった方ほど正誤問題を間違えた」といった関係は、本調査からは分かりません。
  • 手が止まった箇所とシードフレーズの記録の2問は、複数の選択肢がちょうど同じ人数で並ぶ結果になりました。本記事ではこの2問に順位をつけず、表の掲載にとどめています。現在の使用頻度も尋ねましたが、本記事では扱っていません。
  • 複数回答の設問(用意したウォレット、手が止まった箇所、送金前の不安)は、各項目の人数を足し合わせても分母にはなりません。途中でやめた段階の28人は、分母が50人を下回るため参考値です。本記事では性別の比較を扱っていません。
  • 回答者300人の77.0%が40代以上で、20代は20人です。結果はこの年代構成を反映しています。
  • 図解の割合は小数第2位まで表示しています。本文と表の割合は、人数を分母で割って小数第1位に丸めた値ですので、図解の表示と末尾の桁が異なる場合があります。また、合計の割合も人数から計算し直しているため、内訳の割合を足した値とは末尾の桁が異なる場合があります。

主な調査設問

本調査で実際に尋ねた設問は次のとおりです。SAは単一回答、MAは複数回答を表します。

  • 対象条件:暗号資産を現在保有している、または過去に保有していた方
  • Q1 取引所の口座とは別に、自分で管理するウォレットを用意した経験(SA)
  • Q2 用意した(用意しようとした)ウォレット(MA)
  • Q3 はじめてウォレットを用意したとき、使える状態になるまでの作業時間(SA)
  • Q4 はじめてウォレットを用意したとき、一度で使える状態まで終わったか(SA)
  • Q5 ウォレットの用意や初期設定で、分かりにくかった・手が止まった箇所(MA)
  • Q6 シードフレーズの記録(SA)
  • Q7 途中でやめた段階(SA)
  • Q8 用意したウォレットへの入金経験(SA)
  • Q9 送金するときのテスト送金の習慣(SA)
  • Q10 送金するときに送り先のアドレスを確認する回数(SA)
  • Q11 送金ボタンを押す直前に不安に感じたこと(MA)
  • Q12 受け取り側が対応していないネットワークを選んで送った場合の結果(SA)
  • Q13 送金手数料(ガス代)の支払先(SA)
  • Q14 自分で管理するウォレットのアプリを端末から削除したときの資産(SA)
  • Q15 現在のウォレットの使用頻度(SA)
  • Q16〜Q18 暗号資産の投資歴・現在の保有額・投資スタイル(SA)
  • 属性:年代/性別/居住地/未既婚/職業/業種/世帯年収/居住形態/子どもの有無

Q1で「用意したことも、用意しようとしたこともない」と答えた方には、以降の設問を尋ねていません。Q3・Q4・Q8・Q15は「用意して、今も使っている」「用意したが、今はほとんど使っていない」と答えた方に、Q7は「用意しようとしたが、途中でやめた」と答えた方に、Q9〜Q11はQ8で「入金したことがある」と答えた方に尋ねました。設問文の全文や、本記事に掲載していない集計についてはお問い合わせください。

本調査データの引用について

本記事の調査結果は、出典を明記いただければ引用・転載いただけます。図表もあわせてご利用いただけます。

出典:株式会社Clabo「ウォレットの初期設定・基本操作のつまずき実態調査」(2026年9月/有効回答300)

Webメディア・ニュース記事でご利用の場合は、あわせて本記事へのリンクをお願いいたします。本調査は設問ごとに分母が異なりますので、数値を引用される際は母数を必ず併記してください。とくにQ2以降の数値は、ウォレットを用意した・用意しようとした164人、使える状態まで用意した136人、入金したことがある78人、送金したことがある77人、途中でやめた28人のいずれかが分母であり、回答者300人を分母にした数値ではありません。

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、投資助言ではありません。特定のウォレット製品や暗号資産の利用を勧めるものではありません。送金やウォレットの操作は、ご利用のサービスの公式情報をあわせてご確認ください。

掲載している数値は回答者の自己申告に基づくアンケート結果であり、実際の操作や理解度と一致することを保証するものではありません。調査結果は2026年9月時点の回答に基づきます。ウォレットやネットワークの仕組みの記述は2026年9月時点の情報です。