暗号資産の運用において、最も重要な情報であるシードフレーズ。
あなたは、どのように保管していますか?

今回の調査で、実に投資家の約2割がスマホのメモアプリを使用していることが判明しました。
手軽な一方、紛失やハッキングのリスクは計り知れません。

本記事では、暗号資産投資家を対象に実施した独自調査をもとに、年代別・投資経験年数別の保管実態を徹底分析します。
ベテラン投資家が選ぶ確実な保管手段と、初心者に潜むリスクの正体とは何かをデータの裏付けとともに紐解きます。

シードフレーズの保管方法、最多はスマホのメモアプリ

保管方法

回答数

割合

スマホのメモアプリ

260

34.9%

パスワード管理アプリ

214

28.7%

紙に書いて保管

168

22.5%

PCのファイル

163

21.8%

クラウドストレージ

155

20.8%

管理していない

82

11.0%

金属板に刻印

72

9.7%

スマホメモアプリ利用者は34.9%に到達

多くの投資家が利便性を最優先し、日常的にスマートフォンを暗号資産の管理に活用しています。
今回の調査では、シードフレーズの保管先に「スマホのメモアプリ」を選んだ人が34.9%を占めました。 これは全手段の中で最も多い結果です。

手元にある端末へ即座に記録できる手軽さが、多くのユーザーを惹きつけているのでしょう。
しかし、利便性の裏側には重大なセキュリティリスクが隠れています。

端末の紛失やウイルス感染は、資産の喪失に直結します。
利便性を優先するあまり、危険な橋を渡っていることに気づくべきです。
資産を守るという本質を見失わない管理体制が、強く求められています。

紙への記録は22.5%にとどまる

セキュリティの定石として、昔から「オンラインから切り離された紙へ記録し、厳重に保管する」ことが推奨されてきました。
今回のデータを見る限り、紙での保管を選択している投資家は全体の22.5%にとどまります。

依然として多くの投資家が選択しているものの、主流とは言えない実態が浮き彫りになりました。
デジタル機器やITツールを日常的に使いこなす現代の投資家にとって、アナログな手法は非効率に映るのかもしれません。

一方で、ハッキングのリスクが皆無である紙保管の安全性は、無視できないメリットを持っています。
デジタルツールへの依存度が高まる中で、資産を守るための基本とも言える手法が軽視されているのは懸念すべき事態です。

利便性を優先するあまり、最も確実なリスクヘッジの手段を捨てていると言わざるを得ません。

デジタル環境への保管が全体の7割強

今回の調査において、スマホのメモアプリ、PCのファイル、クラウドストレージを合わせると、回答者の実に77.5%がデジタル環境を選択しています。
多くの投資家が、オンラインでアクセス可能な領域にシードフレーズを保管しているという結果です。

利便性の高さが際立つ一方で、常にインターネットの脅威にさらされている点は見逃せません。
PCやクラウドは、ハッキングやウイルス感染、フィッシング攻撃などのサイバー犯罪における主な標的となり得ます。

これほど多くのユーザーがオンライン上のデジタル保管を選んでいる事実は、資産防衛の意識を抜本的に変えるべきだという警鐘と言えるでしょう。

便利だからという理由だけで保管先を決めるのではなく、自身の資産を守り切るための適切な手段が何であるか、今一度冷静に判断することが求められています。

40代のスマホメモ利用率が突出

年代

スマホメモ利用率

「知らない」回答率

20代

29.4%

4.6%

30代

34.8%

8.2%

40代

41.2%

8.6%

50代

31.7%

20.0%

60代

37.5%

12.5%

40代のスマホメモ利用率が4割超え

調査結果を年代別で細分化すると、特定の世代による傾向が顕著に浮かび上がりました。
特に注目すべきは、40代のスマホメモ利用率が41.2%と突出している点です。

働き盛りで最もアクティブな投資層である40代が、最もリスクの高い管理手法に偏っている事実は看過できません。
スマートフォンの利便性をフル活用する一方で、セキュリティ意識が追いついていない可能性を示唆しています。

非常に便利な反面、一度のミスが致命傷になりかねない手法に依存している点は、早期の改善が望まれます。

50代の5人に1人が概念を知らない

世代によって、暗号資産の知識基盤には大きな開きが存在しています。
衝撃的だったのは、50代の20.0%が「シードフレーズ」という概念自体を知らないと回答した事実です。

20代の認知不足がわずか4.6%であることを踏まえると、世代間でのリテラシー格差は深刻と言わざるを得ません。
この層は、シードフレーズの管理という概念に触れる機会すら持てていない可能性があります。

暗号資産を保有している以上、資産の鍵を握るシードフレーズの重要性を理解することは必須条件です。

年代で管理リテラシーに大きな格差

年代別の分析によって、リスク管理の取り組み方には明確な溝があることが分かりました。
スマホメモへの依存が強い層もいれば、そもそも管理の存在を知らない層も存在しています。

デジタルネイティブ世代とそうでない世代で、講じるべきセキュリティ対策も異なるはずです。
全体的な傾向だけでなく、自身の年代や環境に合った「正しい管理方法」を学ぶ姿勢が、全ての投資家に求められています。

投資スタイル以上に、世代ごとのリテラシー向上に向けた啓蒙が必要なフェーズに入っていると言えるでしょう。

ベテランほど紙と金属板で保管

保管方法

1年未満

1〜2年未満

2〜3年未満

3〜5年未満

5年以上

スマホのメモアプリ

27.5%

37.9%

38.5%

31.0%

36.7%

パスワード管理アプリ

17.6%

36.0%

30.3%

31.0%

21.5%

紙に書いて保管

21.8%

23.4%

19.0%

20.7%

32.9%

PCのファイル

18.3%

20.1%

22.1%

24.1%

29.1%

クラウドストレージ

12.0%

22.9%

21.5%

24.1%

24.1%

金属板に刻印

4.9%

5.6%

12.3%

12.9%

17.7%

管理していない

17.6%

6.5%

8.2%

12.9%

15.2%

知らない

17.6%

5.6%

8.2%

10.3%

6.3%

5年以上の経験者は紙を選択

投資経験が5年を超えるベテラン層は、セキュリティに対して極めて保守的な姿勢を見せています。
特に「紙に書いて保管」する割合は32.9%に達し、物理的な保管手法を重視していることが明白です。

さらに、ハッキングや物理的損壊に強い「金属板に刻印」する手法についても、17.7%が実践しています。
オンライン攻撃のリスクを十分に理解し、オフライン環境へ重要な情報を隔離する意識が定着しているのでしょう。

デジタルツールに依存せず、あえて手間のかかるアナログ手法を選ぶ姿勢は、資産防衛の要諦と言えます。
長く市場で生き残っている投資家ほど、基本に忠実な管理を行っている好例です。

初心者層に潜む管理の未熟さ

一方で、投資経験が1年未満の層においては、非常に危うい実態が浮き彫りとなりました。
「管理していない」と答えた人が17.6%、「シードフレーズの存在を知らない」と答えた人も17.6%存在します。

合わせて35%以上の初心者が、自身の資産を守るための鍵を放置している状態です。
暗号資産を保有しながら管理方法を把握していない状況は、市場のボラティリティを考慮すれば致命的と言わざるを得ません。

初期段階でのリテラシー教育がいかに不足しているかを物語っています。
この層が今後、適切に資産を守れるようになるための早急な啓蒙が求められています。

経験が管理意識を大きく変える

投資経験の蓄積は、そのままセキュリティ意識の向上と直結しているようです。
経験年数が長くなるほど、利便性よりも安全性を優先した管理手法へシフトする傾向が顕著です。

初心者のうちは管理の重要性すら見えていないケースが多いものの、時間の経過とともに「守る」ことの難しさを学んでいくのでしょう。
成功体験だけでなく、市場の荒波を経験することでリスクに対する感度が高まるものと考えられます。

自身の資産を長期的に運用するためには、管理体制のアップデートが不可欠です。
初心者からベテランへ成長する過程で、投資手法だけでなく、セキュリティに対する考え方も進化させていく必要があります。

保有額で異なる管理手法

保管方法

1万円未満

1〜10万円未満

10〜50万円未満

50〜100万円未満

100〜500万円未満

スマホメモ

30.3%

32.0%

38.8%

40.1%

36.5%

パスワード管理アプリ

14.8%

26.1%

42.1%

32.1%

31.1%

クラウドストレージ

7.7%

18.2%

28.3%

20.4%

32.4%

金属板に刻印

0.6%

7.4%

11.8%

14.6%

13.5%

知らない

23.2%

10.8%

1.3%

1.5%

6.8%

中間保有層ほど多重の管理手段を併用

保有する暗号資産の総額が大きくなるほど、シードフレーズの管理手法は多様化する傾向が見られます。
100〜500万円層では、スマホメモ36.5%、パスワード管理アプリ31.1%、クラウドストレージ32.4%と、複数の手段が並列的に利用されています。

単一の保管方法に頼るのではなく、デジタル領域の中でリスクを分散させていることがうかがえます。

10〜50万円層でも、パスワード管理アプリの利用率が42.1%と全保有額帯で最高水準を記録しました。
中間層ほど、保管手法に対する意識が高まり、複数のツールを組み合わせる傾向が強まるのです。

一つの管理手段が突破されても、別の手段でリカバリーできる環境を整えることは合理的な防衛策と言えます。

少額保有者層に広がるリスク無知の壁

一方で、1万円未満の少額保有者層を見ると、全く異なる景色が見えてきます。
「シードフレーズという概念自体を知らない」と回答した人が23.2%に達しており、管理に対する関心や教育の機会が極めて不足している現状が浮き彫りとなりました。

手軽に少額から投資を始められるようになった反面、正しい知識を習得する間もなく市場に参加している投資家が多いのかもしれません。

暗号資産は自己責任の原則が非常に強い市場です。
知識がないまま資産を保有し続けることは、非常に高いリスクを伴います。

まずは保管の重要性を理解し、最低限の管理手法を身に付けることが、全ての投資家にとっての第一歩です。

保有額で分かれる管理戦略の最適解

投資家の保有資産額は、そのまま管理に対する真剣度や知識レベルを反映していると言えるかもしれません。
資産が増えるに従ってセキュリティ対策もアップデートし、より強固な保管方法を選択する投資家が増えています。

しかし、どの保有額であっても、シードフレーズの管理は資産を守るための根幹です。
資産額が少ないからといって、管理を疎かにして良い理由にはなりません。

保有額に関わらず、自身の投資スタイルや環境に合わせた最適な保管戦略を構築することが重要です。
資産規模に応じた防衛意識を持ち、段階的に管理レベルを向上させていく姿勢が、長期的な成功を支える力となるでしょう。

管理していないと知らない層が合計11.7%

項目

回答数

割合

管理していない

47人

6.3%

知らない

40人

5.4%

合計

87人

11.7%

1割以上の投資家が資産の鍵を放置

今回の調査で、「シードフレーズを管理していない」あるいは「シードフレーズ自体を知らない」と回答した投資家は、全体の11.7%に達しました。

暗号資産を保有しているにもかかわらず、資産へのアクセス権を確保していない層が1割を超えている事実は極めて深刻です。
これは、自分の家の鍵を誰でも開けられる場所に置いている、あるいは鍵の存在すら気にしていない状況に等しいといえます。

管理方法を確立していない以上、いつ資産を失っても不思議ではありません。
市場の急変やウォレットのトラブルが発生した際、この層は真っ先に資産を失うリスクを抱えています。
投資を継続する以前に、早急に解決すべき課題です。

未管理層の背景には知識不足が影を落とす

この未管理層を紐解くと、投資経験が浅い初心者が多く含まれている傾向がうかがえます。
暗号資産の仕組みを十分に理解しないまま、取引所での売買だけを行い、ウォレットへの理解が追いついていないケースが大半でしょう。

本来、暗号資産の真の所有権は、シードフレーズを管理するウォレットにあります。
この根本的な概念が普及していないことが、管理放置という事態を招いています。

投資におけるリテラシー教育は、売買手法の解説に偏りがちです。
しかし、資産を守るための「管理手法」こそ、投資家が最初に習得すべき知識と言えます。

資産を守るための第一歩は現状把握

シードフレーズの重要性を認識し、適切に管理を始めることは、全ての投資家にとって不可避の責任です。
未管理層に当てはまる投資家は、直ちに自身のウォレット状況を確認し、シードフレーズのバックアップを作成する必要があります。

「まだ大きな金額ではないから大丈夫」という慢心は、暗号資産市場では通用しません。
金額に関係なく、一度流出した資産が戻ってくることは極めて稀だからです。

自身の資産を本当に所有したいのであれば、管理の第一歩を踏み出してください。
この記事を読んだ今が、自身の資産防衛を見直す最良のタイミングです。

まとめ

今回の調査により、暗号資産投資家のシードフレーズ管理実態が浮き彫りとなりました。
最も多い保管方法は「スマホのメモアプリ」で、利便性が優先される一方で、紛失やハッキングのリスクを抱えた層が少なくありません。

特に40代の依存度が高く、逆に経験年数が長い投資家は「紙」や「金属板」といったオフライン管理を徹底している傾向が見られます。
また、保有額の多寡に関わらず管理の重要性は変わりませんが、少額保有者ほど「知らない」と回答する割合が高く、リテラシーの格差も明らかになりました。

資産を守るための鍵であるシードフレーズを放置することは、資産を失うことに直結します。
本調査の結果を契機として、全ての投資家が自身の管理体制を見直し、デジタルとアナログの適切な併用やオフライン管理への移行など、強固な資産防衛策を再構築することが強く求められています。

調査概要

調査実施日:2026年4月10日
調査方法:インターネット調査
調査対象:国内在住の男女(暗号資産に投資している人、投資したことのある人)
有効回答数:746名
実施機関:株式会社Clabo

調査設問項目

  • 暗号資産(仮想通貨)の投資経験はありますか?
  • 暗号資産への投資経験年数はどのくらいですか?
  • 保有している暗号資産の総額はどのくらいですか?
  • シードフレーズはどのように保管していますか?