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なぜ非営利財団ではなく、民間企業がイーサリアムの開発に資金を投じ始めたのか
2026年07月16日

なぜ非営利財団ではなく、民間企業がイーサリアムの開発に資金を投じ始めたのか

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2026年7月14日、イーサリアム財団から3つ目のスピンオフとなる新会社EthSystemsが発足した。出資者に名を連ねるのは、イーサリアムを企業の金庫に貯め込む「DAT(デジタル資産トレジャリー)企業」の最大手Bitmineだ。

同社の会長Tom Lee氏は昨年10月、DATバブルはすでに崩壊した可能性があると自ら語った人物である。崩壊を宣告した勝者が、いま非営利財団が担ってきた開発の中枢を静かに買い支えている。企業がコインを買う時代——第1幕——は終わった。始まったのは、企業がエコシステムそのものを養う第2幕である。

第1幕の終幕——mNAV1割れという構造的な死

DATとは、暗号資産の購入・保有を主要事業に据えた上場企業のことだ。2020年にビットコイン購入を始めた米Strategy(旧MicroStrategy)が先駆けで、資産運用大手VanEckの集計では2025年9月時点でDAT企業の保有資産は約1,350億米ドルに達し、その53%をStrategy1社が占めた。模倣者は世界で200社を超えた。

このモデルのエンジンは、株価が保有コインの純資産価値(NAV)を上回る「プレミアム」にある。時価総額がNAVの何倍かを示す指標をmNAVと呼び、これが1を超えている限り、新株を発行して得た資金でコインを買い増せば1株あたりの保有量が増え、さらに株が買われる好循環が回る。だがmNAVが1を割ると、同じエンジンが逆回転する。新株発行は既存株主の価値を削る行為となり、買い増しが止まり、成長の物語が消え、さらに株が売られる。

そして逆回転は、すでに現実になっている。調査会社K33は2025年9月、ビットコイン・トレジャリー企業の4社に1社が純資産割れで取引されていると報告した。2026年6月には本家Strategy自身のmNAVが1を割り込み、ビットコインは一時6万米ドルを下回った。

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池田 将

1973年大阪生まれ。12歳でIT関連誌への寄稿を始め、20歳の頃からアジア各国やシリコンバレーで新興技術を取材を行う。ベンチャーキャピタルでの技術デューデリジェンス、SI-erやコンサルティングファームの共同創業、ISPインフラや日本初のモバイルウォレット開発などに携わる。

2010年代には、アジアを代表するスタートアップメディアを共同創業し、約15年間運営。現在は、経済産業省のJ-Startup推薦委員、Tokyo Startup GatewayやMASPのメンターを務めるほか、韓国・延世大学で定期的に講義を行う。

2025年からは、「SOCIA」代表、「Growthstock Pulse」を運営するCohhのCCOとして新事業に取り組む。YouTubeやオーディオブック出演、メディア執筆、国内外のカンファレンス登壇など、多方面で活動中。

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