2026年7月15日、暗号資産の規制を資金決済法から金融商品取引法(金商法)へ移す改正法が参議院本会議で可決、成立した。ビットコイン誕生から17年、日本の暗号資産はついに株式や債券と同じ「金融商品」の枠組みに入る。
ところがその前日、参議院財政金融委員会は全会一致で奇妙な決議を採択していた。金商法への移管や分離課税化は国が暗号資産に「お墨付き」を与えたものではない——それを国民に周知するよう政府に求める附帯決議である。
「決済手段」から「金融商品」へ——17年目の再定義
今回の改正の核心は、暗号資産を規制する法律の「住所変更」だ。これまで暗号資産は、買い物の支払い手段になることを想定した資金決済法の管轄だった。しかし現実には、国内の暗号資産口座は1,400万を超え、その大半は決済ではなく投資のために開かれている。建前と実態のずれを17年目にして解消するのが、この法改正である。
変わることは大きく4つある。第一に、株式市場と同様のインサイダー取引規制が暗号資産に初めて導入される。価格に影響する未公表情報を知りながら売買すれば処罰の対象だ。第二に、発行者がいる暗号資産(特定暗号資産)には募集・売出し時の情報公表と年1回の開示が義務づけられる。第三に、無登録で販売した業者への拘禁刑は3年以下から10年以下へ、罰金は300万円以下から1,000万円以下へと、罰則が大幅に引き上げられる。第四に、業者の呼び名が「暗号資産交換業者」から「暗号資産取引業者」に変わり、投資運用や投資助言、レンディング(貸付け)といった周辺業務も規制の網に入る。
ここで常識が一つ逆転する。規制強化といえば業界が嫌がるものと相場が決まっているが、今回の「格上げ」は業界団体側が長年求めてきたものだ。理由は単純で、暗号資産が金商法上の金融商品になることは、株式並みの約20%の申告分離課税へ移行するための前提整備だからである。...
