暗号資産(仮想通貨)を買おうとして画面を開くと、同じ銘柄に対して「販売所」と「取引所」という2つの入口が並んでいます。どちらでも同じものが買えるように見えますが、表示されている価格は一致するとは限りません。名前は目にしていても、この2つが何をどう分けているのか、自分はどちらを使えばよいのかまでは、画面を眺めているだけでは分からないままです。

違いの正体は、売買の相手が誰かという一点にあります。ここを押さえると、取引所で必ず出てくる「板取引」という言葉の意味も、両者でコストの取られ方が変わる理由も、同じ線の上でつながって見えてきます。そのうえで、自分の取引の頻度と重視する基準に当てはめれば、どちらを使うかは自分で判断できるようになります。

販売所と取引所の違い―定義と取引相手・価格の決まり方

販売所とは、暗号資産を取り扱う事業者そのものが売買の相手になる窓口です。買うときの相手は事業者であり、売るときの相手も同じ事業者になります。画面には事業者が提示した価格が表示されていて、利用者はその価格を確認したうえで数量を入力すれば、そのまま売買が成立します。相手を自分で探す必要がないため、注文を出したのに成立しないまま待たされる、という場面はほとんど起こりません。

一方の取引所は、暗号資産を売買したい利用者同士が相手になる窓口です。「この価格で買いたい」「この価格で売りたい」という注文が一か所に集められ、条件の合う注文どうしが結びついたときに売買が成立します。この注文の集まりを一覧にしたものが「板(いた)」で、取引所での売買が板取引と呼ばれるのはこのためです。

そして、この取引相手の違いが、そのまま価格の決まり方の違いにつながります。販売所の価格は事業者が提示するもので、利用者はその価格を受け入れるかどうかを選ぶことになります。対して取引所の価格は、そのとき出ている買い注文と売り注文のバランス、つまり需給によって決まります。買いたい人が多ければ価格は上がりやすく、売りたい人が多ければ下がりやすい、という動き方をします。同じ暗号資産を同じタイミングで見ても、販売所と取引所で表示されている価格が一致するとは限らないのは、この決まり方の違いによるものです。

注文の出し方にも、同じ違いが表れます。販売所でできるのは事業者が提示している価格での売買だけで、価格を自分で指定することはできません。取引所では、いま出ている注文に合わせてすぐ成立させる「成行(なりゆき)注文」と、希望する価格を指定して条件が合うまで待つ「指値(さしね)注文」を使い分けられます。選べる幅が広いぶん、板がどうなっているかを読めるかどうかで結果も変わってきます。その板の見方については、次で詳しく取り上げます。

「板取引」とは何か―気配値・板の厚さ・約定の仕組み

板は、「注文が並んだ一覧表」と説明されることの多い画面です。定義としては間違っていませんが、その理解だけで眺めていると、ただ数字が上下しているだけの表に見えてしまいます。実際の板は、いまこの瞬間、どの価格にどれだけの買いと売りが集まっているかを映した情報源です。読み方を知っていれば、値動きの勢いや、自分の注文が思った価格で通りそうかどうかまで読み取れます。

逆に、読めないまま注文を出すと、想定していた価格と違う値段で成立して驚く、ということも起こります。ここでは板を構成する「気配値」の見方と、板の「厚さ」から何が分かるのかを、順に見ていきます。

気配値の見方

気配値とは、買いたい人・売りたい人がそれぞれ提示している価格の一覧です。板を開くと価格が縦に並び、その価格に対してどれだけの数量の注文が出ているかが横に添えられています。ここに並んでいるのは、まだ売買が成立していない注文です。つまり気配値は、成立した価格の記録ではなく、「この価格なら売買したい」という参加者の意思表示が集まったものだと考えると分かりやすくなります。

並び方にはルールがあります。買い注文(買い気配)は価格の高い順に、売り注文(売り気配)は価格の安い順に並びます。その結果、板の中央では、もっとも高い買い気配ともっとも安い売り気配が向かい合う形になります。売買はこの中央の近いところから順に成立していくため、板の真ん中付近が「いま取引されている価格帯」を示していることになります。

ただし、気配値と実際に成立する価格(約定価格)が一致するとは限りません。板に表示されているのは、あくまでその瞬間の注文状況です。自分が注文を出すまでのわずかな間に、別の人の注文が先に成立して気配値が入れ替わることもあります。その場合、狙っていた価格ではなく、一段階離れた価格で成立することになります。値動きが速い時間帯ほど、このずれは起こりやすくなります。

板の厚さから分かること

板の「厚さ」とは、同じ価格帯にどれだけの注文が積まれているかを指します。ある価格に大量の注文が控えていれば、その板は厚い状態です。多少の売買が入ってもその価格帯の注文が消化しきれないため、価格は動きにくくなります。反対に、各価格に少しずつしか注文が並んでいない薄い板では、まとまった売買が入るだけで価格が一気に飛ぶことがあります。

この差がはっきり表れるのが、成行注文を出したときです。成行注文は価格を指定せず、いま板に出ている注文に順番にぶつけていく注文方法です。板が厚ければ、最良の気配値のところでほぼ全量が成立します。しかし板が薄いと、最良の気配値だけでは数量が足りず、次の価格、さらにその次の価格と拾いながら約定していきます。結果として、平均するとかなり不利な価格で買った(売った)ことになる場合があります。これが、注文の通りやすさを指す「流動性」の問題です。取引している人が少ない銘柄ほど、板は薄くなりやすい傾向があります。

とはいえ、初心者のうちから板を細かく分析する必要はありません。まずは注文を出す前に、気配値がどう並んでいるかと、自分が売買したい数量に対して板が十分に厚いかどうかを確認する。この習慣をつけるだけで、成行でそのまま出してよいのか、価格を指定して待ったほうがよいのかを、自分で判断できるようになります。

手数料・スプレッドで比較する―どちらが安いのか

販売所と取引所を比べるとき、多くの人が最も気にするのが「結局どちらが安いのか」という点です。ただ、この問いに数字だけで答えるのは簡単ではありません。両者は、コストの取られ方そのものが違うからです。片方は価格の中に埋め込まれる形で、もう片方は手数料として価格とは別に示される形で発生します。

見え方が違うということは、比べるにはいったん同じ土俵に乗せる必要がある、ということでもあります。ここでは、販売所と取引所のそれぞれで、利用者が何に対していくら払っているのかを順に整理していきます。

販売所のコストはスプレッド

販売所には「取引手数料は無料」と案内されているものもありますが、コストがかからないわけではありません。販売所では、同じ暗号資産に対して「買うときの価格」と「売るときの価格」が別々に提示されており、この2つの価格の差がコストになります。この差をスプレッドと呼びます。利用者から見れば、買う価格は少し高めに、売る価格は少し低めに設定されている状態で、その差額が事業者の取り分にあたります。手数料という名前では請求されませんが、実質的な取引コストはここで発生しています。

金額に置き換えると分かりやすくなります。たとえば、ある暗号資産について、販売所が「買うときは1単位103万円、売るときは1単位100万円」と提示していたとします。この3万円の差がスプレッドです。仮にこの販売所で10万円分を購入し、価格がまったく動かないうちにすぐ売り戻したとすると、手元に戻るのはおよそ9万7,000円になります。差額のおよそ3,000円が、実質的に支払ったコストです。なお、ここで挙げた価格とスプレッドの幅は説明のための仮の数値であり、実際の水準は事業者・銘柄・タイミングによって変わります。

注意したいのは、このコストが金額として表示されないことです。購入画面に出てくるのは「いくら分買うか」と「何枚受け取れるか」であり、スプレッドが何%なのかまで明記されているとは限りません。確認する方法は単純で、同じ銘柄の買う価格と売る価格を並べて見比べることです。この2つが大きく離れているほど、支払っているコストは大きくなります。

取引所のコストは手数料

取引所のコストは、取引手数料として価格とは別に示されます。体系としてよく使われるのが、メイカーとテイカーで料率を分ける考え方です。板に注文を並べて成立を待つ側(指値注文などで板に厚みを加える側)をメイカー、すでに並んでいる注文にぶつけてすぐ成立させる側(成行注文など)をテイカーと呼び、板に注文を供給してくれるメイカー側の料率を低く設定する例が多く見られます。取引所によっては両者を区別せず、一律の料率にしている場合もあります。

販売所との大きな違いは、この料率が数字として公表されている点です。いくら分の取引にいくらかかるのかを、注文を出す前に自分で計算できます。取引所を選ぶ段階でも、各社が示している料率を並べて比べられます。ただし料率は改定されることがあるため、実際に比較するときは各社の公式サイトで最新の内容を確認してください。

そしてこのコスト差は、取引の回数が増えるほど効いてきます。1回あたりの差額は小さく見えても、月に何度も売買する人にとっては積み上がっていきます。反対に、年に数えるほどしか売買しない人であれば、コストよりも操作の分かりやすさのほうが重要になることもあります。次では、ここまで見てきた違いを、それぞれの長所と短所として整理します。

販売所と取引所のメリット・デメリット

販売所の一番のメリットは、操作の分かりやすさと、買いたいときに買えることです。相手は事業者ひとつに決まっているため、買う相手を探す必要も、板を読む必要もありません。画面に出ている価格を見て、買いたい金額を入力すればそれで完了します。注文が成立せずに残ってしまうこともなく、少額から扱えるところが多いため、初めて暗号資産を持つときの入口としては迷いにくい仕組みです。

その代わり、支払うコストは大きくなりやすくなります。販売所の価格には、買うときと売るときの差、つまりスプレッドがあらかじめ含まれています。手軽さと引き換えに割高な価格で売買している、という関係です。しかもこのコストは手数料として表示されないため、自分がいくら負担したのかを意識しにくいという難しさもあります。売買を繰り返すほど、その負担は静かに積み上がっていきます。

取引所のメリットは、この裏返しになります。コストが手数料として明示され、その水準も販売所のスプレッドより低く抑えられているのが一般的です。加えて、価格を自分で指定できるため、板の状況によっては今出ている価格より有利な条件で売買できる可能性もあります。相手は事業者ではなく他の利用者であり、取引の条件を自分で決められる余地が大きい仕組みだといえます。

一方で、取引所は使いこなすまでに少し慣れが必要です。板を見て、成行と指値を選び、価格と数量を入力するという手順は、販売所の操作と比べると覚えることが多くなります。指値注文はいつまでも成立しないことがありますし、板が薄い状態で成行注文を出せば、想定より不利な価格で成立することもあります。つまり、条件を自分で決められるということは、その判断を自分で引き受けるということでもあります。このメリットとデメリットのどちらを重く見るかは、人によって変わります。

結局どちらを使うべきか―取引頻度と重視基準で選ぶ

ここまで見てきたとおり、販売所と取引所は一方が優れているという関係ではなく、長所と短所が裏返しになっています。そのため「どちらがいいか」の答えは、使う人の事情によって変わります。判断材料になるのは、取引の頻度・金額と、自分が何を重視するかの2つです。この2軸で整理すると、自分がどちらに近いかが見えてきます。

操作の手軽さを重視

コストの低さを重視

ときどき・少額

販売所が向いています

どちらでも負担の差は小さめ。取引所に慣れる練習として使う手もあります

頻繁・まとまった金額

販売所でも使えますが、コスト負担が積み上がる点に注意が必要です

取引所が向いています

売買するのがときどきで、金額も小さいうちは、販売所が向いています。取引の回数が少なければ、スプレッドとして負担する金額もそれほど大きくはなりません。それよりも、板の読み方や注文方法を覚える前に、まず暗号資産を持ってみるという経験のほうが先に立ちます。操作で迷って売買のタイミングを逃すくらいなら、価格を確認して数量を入れるだけで済む販売所のほうが扱いやすいはずです。

一方、売買の回数が増えてきた場合や、まとまった金額を動かす場合は、取引所のほうが向いています。1回あたりでは小さく見えるコストの差も、回数と金額が増えるほど無視できない規模になっていくためです。この段階まで来ると、板を読んで指値を使い分けるための手間も、負担を抑えるための作業として見合うようになります。取引所での売買に慣れておくと、価格を自分で決められる幅も広がります。

なお、この2つは必ずどちらか一方に決めなければならないものではありません。手軽に買いたいけれどコストも抑えたい、という人は少なくないはずです。実際、販売所と取引所の両方に口座を持ち、買うときと売るときで使い分けるという方法もあります。次では、その使い分けを実際にどう行うのか、資産の移動という観点から見ていきます。

販売所と取引所を使い分ける実践手順―資産の移動方法

使い分けるといっても、買った暗号資産が別の場所にあっては売りたいときに売れません。ここで必要になるのが、販売所で持っている暗号資産を、取引所の口座へ移すという操作です。なお、ひとつの事業者が販売所と取引所の両方を用意している場合は、同じ口座の中で画面を切り替えるだけで済むこともあります。移動の操作が必要になるのは、別々のサービスを併用する場合です。

この移動は送金という扱いになり、慣れていないと戸惑いやすい部分でもあります。ここでは、移動する理由と具体的な手順、そして送金にともなう手数料と時間の目安を順に見ていきます。

販売所→取引所への移動手順

そもそも、なぜわざわざ移すのでしょうか。理由は、買う場面と売る場面で使いやすい窓口が違うことがあるからです。販売所は操作が簡単で買いやすい一方、買うときも売るときもスプレッドを負担します。そこで、買うのは販売所で済ませ、売るときは手数料が明示されている取引所を使う、という組み立てが選択肢になります。同じ暗号資産でも販売所と取引所で価格が一致するとは限らないため、その差を踏まえた使い方だといえます。ただし、この使い分けで避けられるのは売却時に発生する分だけで、購入時に負担したスプレッドが戻ってくるわけではありません。さらに、移動には後述する送金手数料と時間もかかります。抑えられる額より送金のコストが上回ることもあるため、必ず有利になるわけではない点は押さえておいてください。

実際の操作は、受け取る側の準備から始めます。おおまかな流れは次のとおりです。

  1. 取引所の口座にログインし、入金(受取)画面で送りたい銘柄を選び、受取用のアドレスを表示させる。
  2. 表示されたアドレスと、指定されているネットワーク(チェーン)の種類を確認し、アドレスをコピーする。
  3. 販売所側の出金(送金)画面を開き、同じ銘柄を選んで、コピーしたアドレスを貼り付ける。
  4. ネットワークの種類が受取側の指定と一致しているかを確認し、送る数量を入力する。
  5. 二段階認証やメール確認などの認証手続きを済ませ、送金を実行する。
  6. 取引所側で着金を確認してから、売却の注文を出す。

この手順で最も注意が必要なのが、アドレスとネットワークの指定です。送金先アドレスを間違えたり、受取側が対応していないネットワークを選んだりすると、送った暗号資産を取り戻せなくなることがあります。銀行振込のように「組戻し」を依頼できる仕組みは基本的にありません。アドレスは手入力せずコピーして貼り付ける、貼り付けた後に先頭と末尾の文字が一致しているか見比べる、ネットワーク名が受取画面の指定と同じかを確認する。この3点を毎回行うだけで、ほとんどの事故は避けられます。初めて送る宛先の場合は、まず少額で試してから残りを送る方法も有効です。

手数料・反映時間の目安

送金には、ネットワーク手数料と呼ばれるコストがかかります。これは取引所が自由に決めている金額というより、そのブロックチェーンを使うための費用にあたるもので、固定ではありません。銘柄によって水準が違いますし、同じ銘柄でもネットワークが混み合っているタイミングでは高くなります。事業者によって、あらかじめ一定額を設定している場合と、そのときの状況に応じて変動する場合があります。いずれにしても、送金画面に表示される金額を実行前に確認する習慣をつけておくと安心です。

反映(着金)までの時間も、一定ではありません。一般的には数分から数十分程度を目安に考えておくとよいでしょう。ネットワークが混雑していれば、それ以上かかることもあります。また、送金を実行してから実際にネットワークへ送り出されるまでに、事業者側で出金の承認処理を挟む場合があり、その分の時間も上乗せされます。ここで意識しておきたいのは、送金している間も価格は動いているという点です。着金を待っている間に相場が変わる可能性があるため、「送ってすぐ売る」ことを前提にした使い方をする場合は、この時間差も含めて考えておく必要があります。

主要取引所で確認する販売所・取引所の違い

ここまで販売所と取引所を別々の窓口として説明してきましたが、国内の主要な暗号資産交換業者では、ひとつのサービスの中に両方が用意されているのが一般的です。口座を開けば、同じアプリやサイトの中で「販売所で買う」「取引所で買う」を選べる形になっています。つまり、ここまで見てきた違いの多くは、事業者を選ぶ話ではなく、口座の中でどちらの画面を使うかという話でもあるわけです。

ただし、呼び方やサービスの範囲は事業者ごとに少しずつ違います。特に押さえておきたいのが、取扱銘柄が販売所と取引所で一致するとは限らない点です。取引所(板取引)で売買できる銘柄は、販売所より絞られている例が多く見られます。以下では国内でよく名前の挙がる3社を取り上げますが、取扱銘柄や画面の名称は変更されることがあるため、実際に使うときは各社の公式サイトで最新の内容を確認してください。

GMOコインの場合

GMOコインは、「販売所」と「取引所」という名称をそのまま使い分けています。販売所は同社を相手に売買する窓口、取引所は利用者同士が板を通じて売買する窓口という位置づけです。どちらも同じ口座から利用できるため、銘柄や取引の目的に応じて画面を切り替えて使う形になります。取引所で扱える銘柄の範囲は販売所と同じとは限らないため、買いたい銘柄が取引所でも売買できるかどうかは、公式サイトの取扱通貨の一覧で確認しておくと確実です。

コインチェックの場合

コインチェックも、「販売所」と「取引所」という呼び分けを採用しています。同じ口座の中で販売所と取引所を使い分けられるため、まず販売所で購入し、慣れてから取引所を使い始めるという進め方もできます。こちらも取引所で売買できる銘柄は販売所より限られる場合があるため、取引所を使う前提で銘柄を選ぶなら、対応状況を先に確認しておくとよいでしょう。

ビットフライヤーの場合

ビットフライヤー(bitFlyer)は、販売所に加えて、取引画面に「bitFlyer Lightning」という独自の名称を用いています。ここで注意したいのは、Lightningが現物の板取引だけを指す名称ではない点です。Lightningには、利用者同士が板で売買する現物の取引所に加えて、証拠金取引(bitFlyer Crypto CFD)の画面も含まれます。証拠金取引は自己資金より大きな金額を動かす仕組みで、現物の売買とは損益の出方もリスクも異なります。初めて開くときは、いま自分が現物の板取引と証拠金取引のどちらの画面にいるのかを確認してから操作してください。取扱銘柄や利用条件は公式サイトに案内があるため、口座を開く前に目を通しておくことをおすすめします。

よくある質問

暗号資産は取引所と販売所、どちらがいいですか?

取引の頻度・金額と、何を重視するかで変わります。売買するのがときどきで金額も小さく、操作の手軽さを優先したいなら販売所が向いています。売買の回数が増え、コストを抑えたいなら取引所が向いています。どちらか一方に決めず、買うときと売るときで使い分ける方法もあります。

暗号資産の取引所と販売所の違いは何ですか?

売買の相手と、価格の決まり方が違います。販売所の相手は事業者で、価格は事業者が提示します。取引所の相手は他の利用者で、価格は板に集まった注文の需給によって決まります。この違いから、注文方法も販売所は提示価格での売買のみ、取引所は成行・指値を選べる形に分かれます。

暗号資産の販売所と取引所ではどちらが安いですか?

コストの取られ方が違うため、単純な比較にはなりません。販売所では買う価格と売る価格の差であるスプレッドが実質的なコストになり、手数料として表示されない分だけ負担に気づきにくくなります。取引所では手数料が数字で明示され、水準も抑えられているのが一般的です。売買の回数が増えるほど、この差は積み上がっていきます。

暗号資産取引所と販売所のメリット・デメリットは?

両者は表裏の関係にあります。販売所は操作が簡単で買いたいときに買える一方、スプレッドの分だけ割高になりやすいという面があります。取引所はコストを抑えられ、価格を自分で指定できる一方、操作に慣れが必要で、板が薄いと想定どおりに約定しないことがあります。

暗号資産は販売所で買って取引所で売ることはできますか?

できます。同じ事業者の中に両方の窓口があれば画面を切り替えるだけで済み、別のサービスを使う場合は取引所の口座へ送金してから売却します。ただし送金にはネットワーク手数料がかかり、着金までに時間もかかります。送金先アドレスとネットワークの指定を誤ると資産を取り戻せなくなることがあるため、実行前の確認は必ず行ってください。

まとめ

販売所と取引所の違いは、売買の相手が事業者なのか他の利用者なのか、という一点から生まれています。相手が違えば価格の決まり方も変わり、販売所では事業者が提示する価格で、取引所では板に集まった注文の需給で価格が決まります。

その板は、注文が並んだ一覧表としてだけ見ると読み飛ばしてしまいがちです。気配値がどう並んでいるかと、自分が売買したい数量に対して板が十分に厚いかどうか。この2点を注文前に確認するだけで、想定と違う価格で約定する場面は減らせます。

そのうえで、どちらを使うかは取引の頻度・金額と、手軽さとコストのどちらを重視するかで決まります。ときどき少額を売買するなら販売所、回数や金額が増えてコストが気になり始めたら取引所、という切り替えが基本の形です。両方に口座を持って使い分ける方法もあります。窓口ごとのコストの取られ方を理解しておけば、気づかないうちに余計な負担を抱えることは避けやすくなります。