暗号資産(仮想通貨)に投資している層は、果たして暗号資産だけに全力投球しているのか。
992人を対象とした今回の独自調査では、そんなイメージを覆す驚きの実態が明らかになりました。

実は、暗号資産のみに投資している「一点集中派」はわずか7.9%に過ぎません。
残り9割以上の投資家は、新NISAや株式投資など、他の金融資産と巧みに組み合わせた運用を実践しています。

本記事では、併用している投資先のランキングや、気になる「資金配分」の黄金比について詳しく解説します。
最新のデータから、現代の投資家たちがどのようにリスクを分散し、賢く資産を築いているのか、その戦略を読み解きます。

暗号資産投資家の約95%が他資産を併用する分散投資の実態

新NISAの普及で投資信託との併用が22.4%と最多

投資種別

実施率

投資信託・NISA

22.4%

株式投資

19.5%

FX

9.7%

金・コモディティ

7.3%

債券

6.0%

不動産投資

5.9%

何もしていない

4.3%

暗号資産に投資を行う層のなかで、他の金融商品への投資も並行して実施している割合は極めて高い水準にあります。
特に「投資信託・NISA」の実施率は22.4%に達しており、税制優遇制度を活用しながら着実な資産形成を目指す姿勢が鮮明となりました。

2024年から開始された新NISA制度の影響もあり、ハイリスク・ハイリターンな暗号資産と、安定的なインデックス運用を組み合わせる投資家が増加しています。
「株式投資」も19.5%と高い併用率を誇り、伝統的な金融資産とデジタル資産を天秤にかけながらポートフォリオを構築している様子が伺えます。

一方で「何もしていない」と回答した層はわずか4.3%に留まっており、暗号資産投資家の約95%が何らかの分散投資を実践していることが浮き彫りになりました。
暗号資産一本という極端なリスクの取り方は、現代の投資家にとってすでに主流ではないといえるでしょう。

30代はNISAと株式の併用率が共に2割を超える高水準

年代

投資信託・NISA

株式投資

FX

20代

18.2%

15.4%

11.2%

30代

24.1%

21.8%

10.5%

40代

23.5%

19.1%

8.4%

50代

22.1%

20.3%

7.6%

年代別の動向を確認すると、特に30代において投資信託・NISAの活用が24.1%、株式投資が21.8%と、全世代のなかでも積極的な併用姿勢が目立ちます。
将来の資産形成に対する意識が強いこの世代は、暗号資産を成長枠として捉えつつ、基盤となる資産を堅実に積み上げている傾向があります。

20代ではFXの実施率が11.2%と他の世代より高く、よりボラティリティの大きな商品で資金効率を追求する姿勢が見て取れます。
対照的に40代以降はNISAや株式への配分が安定しており、ライフステージの変化に合わせてリスク許容度を調整している様子がデータに表れています。

現役世代を中心に「守り」のNISAと「攻め」の暗号資産という二段構えの戦略が浸透している点は、投資教育の普及や情報のデジタル化が背景にあると考えられます。
特定の資産に固執せず、複数の選択肢を柔軟に使い分けるリテラシーの高さが、数値として明確に示された形です。

世帯年収1000万円以上は不動産や金への分散も加速

世帯年収

投資信託・NISA

株式投資

不動産投資

金・コモディティ

400万円未満

15.6%

12.3%

2.1%

4.2%

400〜800万円

22.8%

19.4%

5.2%

6.8%

800〜1200万円

28.5%

26.1%

11.4%

10.5%

1200万円以上

31.2%

29.8%

14.7%

13.9%

世帯年収が高くなるにつれて、併用する投資先のバリエーションが明確に広がっていく「資産分散の法則」がデータから確認されました。
年収1200万円以上の層では、NISAや株式の実施率が3割を超えるだけでなく、不動産投資(14.7%)や金(13.9%)への配分も顕著に増加します。

資金余力がある投資家ほど、暗号資産の利益を他の実物資産やインカムゲイン資産へ振り分け、ポートフォリオ全体の堅牢性を高めている実態があります。
年収400万円未満の層ではNISAが15.6%に留まっており、まずは少額から始められる暗号資産や投資信託に集中する傾向が見て取れます。

注目すべきは、年収800万円を超えると「債券」や「不動産」といった伝統的な守りの資産への関心が急速に高まる点です。
これは、ある程度の資産規模に達した段階で、暗号資産で得た利益を「硬い資産」へ変えようとする、出口戦略の一環であると推察されます。

資金配分は3割以下のサブ運用が約4割で最多を記録

暗号資産をサブ運用に留める堅実派が38.8%で第1位

資金配分の考え方

回答数

割合

暗号資産はサブ(3割以下)

385人

38.8%

暗号資産は半分程度

282人

28.4%

暗号資産がメイン(7割以上)

150人

15.1%

暗号資産以外のみ

98人

9.9%

暗号資産のみ

78人

7.9%

ポートフォリオにおける暗号資産の割合を調査したところ、「3割以下のサブ運用」とする投資家が38.8%と最も多い結果となりました。
多くの投資家は暗号資産を資産形成の主軸に据えるのではなく、あくまで余剰資金や成長枠として限定的に組み込んでいる実態が浮き彫りになっています。

次いで「半分程度」という回答が28.4%を占めており、暗号資産と伝統的資産をバランスよく保有する層も一定数存在します。
一方で「暗号資産のみ」の一点集中派はわずか7.9%に留まり、リスクを分散させる投資行動が一般化しているといえるでしょう。

市場のボラティリティを考慮し、コアとなる安定資産を持ちつつ、暗号資産をアクセントとして活用する「コア・サテライト戦略」が浸透しています。
この傾向は、暗号資産が特殊な投機対象から、一般的な個人ポートフォリオの構成要素へと変化したことを示唆しています。

短期トレード派は暗号資産への集中投資が15%超えと高水準

投資スタイル

仮想通貨サブ(3割以下)

仮想通貨は半分程度

仮想通貨メイン(7割以上)

短期売買が中心

32.1%

25.4%

15.8%

長期保有が中心

42.5%

29.1%

12.2%

積立(DCA)が中心

40.2%

31.5%

10.4%

投資スタイル別に資金配分を分析すると、短期売買をメインとする層では「7割以上のメイン運用」が15.8%と、他のスタイルより高い傾向にあります。
短期的な値動きを利用して利益を追求する場合、資金を暗号資産に集中させることで資金効率を最大化しようとする意図が読み取れます。

一方で長期保有や積立を主軸とする層では、約4割以上が「3割以下のサブ運用」を選択しており、より堅実な配分を好む傾向が鮮明です。
特に積立派は、毎月の定額購入と並行してNISAなどの積立も併用しており、資産全体の安定性を重視する傾向が強いといえます。

自身の投資目的に応じて、暗号資産のウェイトを戦略的に調整している投資家が多いことは、市場全体の成熟度を表しています。
短期の「攻め」か長期の「守り」かによって、最適なポートフォリオの形が明確に分かれているのが現状です。

公務員は暗号資産3割以下のサブ運用が半数近くに到達

職業

仮想通貨サブ(3割以下)

仮想通貨は半分程度

仮想通貨メイン(7割以上)

会社員

39.2%

28.5%

14.8%

公務員

48.1%

25.3%

10.2%

自営業

33.5%

27.2%

19.4%

専業主婦・主夫

42.4%

29.8%

9.1%

職業別の資金配分では、公務員の48.1%が「3割以下のサブ運用」と回答し、全職業のなかで最も保守的な傾向を示しました。
職種柄、安定性を重視する傾向が強く、暗号資産はあくまで資産の一部として慎重に取り扱っている様子が伺えます。

対照的に、自営業者では「7割以上のメイン運用」が19.4%に達しており、リスクを取って大きなリターンを狙うアグレッシブな層が比較的多い結果となりました。
自身の裁量で資金を動かせる立場であることが、暗号資産への強気な配分に繋がっている可能性があります。

会社員や主婦層においても「サブ運用」が最多となっており、家計や将来の備えを考慮しながら、無理のない範囲で暗号資産を取り入れているのが一般的です。
生活基盤の安定度や収入の性質が、暗号資産への資金配分という高度な投資判断に色濃く反映されています。

投資総額が増えるほどNISAから株式や不動産へ分散先が拡大

100万円未満の層はNISA併用が約3割と少額分散を重視

併用投資先

100万円未満

100〜500万円

500万円以上

投資信託・NISA

28.4%

24.5%

19.8%

株式投資

12.1%

21.3%

26.7%

不動産投資

1.8%

5.4%

12.6%

FX

8.2%

10.1%

11.4%

投資総額が100万円に満たない初期段階の投資家においては、NISA・投資信託の併用率が28.4%と最も高い数値を示しました。
少額からでも非課税メリットを享受できる制度を賢く利用し、暗号資産のハイリスクを中和しようとする防衛的な姿勢が読み取れます。

一方で、この層の株式投資への併用率は12.1%に留まっており、個別株の分析やまとまった購入資金が必要な投資にはまだ慎重である様子が伺えます。
まずは暗号資産と投資信託という、比較的少額から参入可能なアセットを組み合わせるのが、現代の投資初心者のスタンダードな形といえるでしょう。

投資総額が少ない時期こそ、手数料を抑えたインデックス運用を土台に据えることは、長期的な資産形成において理にかなった戦略です。
リスクの高い暗号資産を入り口にしつつ、NISAという「王道の投資」を同時に学ぶことで、投資家としての経験値をバランスよく蓄積している実態があります。

500万円以上の富裕層は株式併用が26%を超え守りも固める

併用投資先

100万円未満

100〜500万円

500万円以上

株式投資

12.1%

21.3%

26.7%

金・コモディティ

3.5%

7.2%

13.1%

債券

2.1%

5.8%

11.5%

何もしていない

6.4%

3.2%

1.9%

総資産が500万円を超えると、併用投資先の傾向は「守りと攻めの多角化」へと明確にシフトしていきます。
株式投資の併用率が26.7%まで上昇するだけでなく、金や債券といった伝統的な安全資産への配分も10%を超える水準まで拡大します。

資産規模が大きくなるほど、暗号資産の急落による全体ダメージを軽減させるため、相関性の低いアセットを組み込む必要性が高まります。
「何もしていない」という層がわずか1.9%まで減少している点からも、多額の資金を動かす投資家ほど分散の重要性を徹底していることが分かります。

この層における分散は、単なる利益の追求ではなく「資産の防衛」としての側面が強くなっているのが特徴的です。
暗号資産で得たキャピタルゲインを、安定した株式の配当や金といった実物資産へ逃がすことで、永続的な富の構築を図っていると推察されます。

年収800万円を境に不動産投資の実施率が10%を突破

世帯年収

投資信託・NISA

株式投資

不動産投資

400万円未満

15.6%

12.3%

2.1%

400〜800万円

22.8%

19.4%

5.2%

800〜1200万円

28.5%

26.1%

11.4%

1200万円以上

31.2%

29.8%

14.7%

世帯年収と併用先の相関を分析すると、年収800万円を境に不動産投資という高額アセットへの参入が急増する特異な動きが見られました。
年収800万円以上の層では不動産併用率が11.4%と、年収400万円未満の層(2.1%)と比較して約5倍以上の開きが生じています。

一定の年収と信用力を持つ投資家は、暗号資産という流動性の高い資産を持ちつつ、融資を活用した不動産投資でレバレッジを効かせた運用を組み合わせています。
「デジタル資産」と「実物資産」という対極にある商品を併用することで、ポートフォリオの立体感を高めているのが富裕層の戦略です。

また、年収1200万円以上の最上位層ではNISAの実施率も31.2%と極めて高く、あらゆる優遇税制を余さず活用する執着心が見て取れます。
収入が増えるほど投資の選択肢が広がるのは必然ですが、その根底には「分散によるリスク管理」という投資の鉄則が深く根付いています。

まとめ

今回の調査を通じて、暗号資産投資家の実態は「一点集中」ではなく、極めて戦略的な「分散投資」へとシフトしていることが浮き彫りになりました。
全体の約95%が何らかの他資産を併用しており、特にNISAや投資信託を活用する層が22.4%と最多であった点は、新NISA制度の浸透と無縁ではないでしょう。

資金配分においても、暗号資産を「3割以下のサブ運用」に留める層が38.8%と最も多く、ボラティリティを管理しながら堅実に資産を増やす姿勢が主流となっています。
一方で、投資総額が500万円を超える層や高所得層では、株式や不動産、金といった伝統的資産への分散が加速する傾向も確認されました。

暗号資産はもはや孤立した投機対象ではなく、ポートフォリオの成長を加速させる「スパイス」としての地位を確立しています。
自身の投資スタイルや資産規模に応じ、NISAの安定性と暗号資産の爆発力を最適に組み合わせることこそが、現代の投資家に求められる一歩進んだ戦略といえるでしょう。