暗号資産の「積立投資」は、今や投資家にとってどれほど身近な存在なのか。
自社で実施した992人を対象とした最新のアンケート調査では、現在進行形で積立を実践している層が約4割に達していることが判明しました。
一方で、手法自体は広く知られているものの、過去に利用を断念した「離脱層」が3割近く存在するなど、継続の難しさも浮き彫りになっています。
本記事では、積立投資の実施状況を「現在・過去・未経験」の3つの視点から深く掘り下げ、投資スタイルによる実施率の決定的な違いを数値で明らかにします。
さらに、2026年に向けた投資家たちの強気な投資方針についても分析しました。
過半数を超える投資家が「投資を増やしたい」と回答しており、今後の市場拡大に向けた期待感が伺えます。
積立投資の実施状況は現在・過去・未経験の3層を分析
現在の積立利用者は約4割で暗号資産でも堅実な手法が浸透

回答 | 回答数 | 割合 |
|---|---|---|
現在している | 404人 | 40.73% |
過去にしていたがやめた | 279人 | 28.13% |
知っているがしていない | 252人 | 25.40% |
知らなかった | 57人 | 5.75% |
暗号資産投資家992人を対象に積立投資の状況を調査したところ、「現在している」と回答した人は40.73%に達しました。
ビットコインをはじめとする暗号資産市場でも、価格変動リスクを抑える「ドルコスト平均法」のような堅実な投資スタイルが一般化している様子が伺えます。
一方で「知っているがしていない」層も25.40%存在しており、積立という手法自体は認知されているものの、実行に移していない投資家も一定数いることが浮き彫りとなりました。
ボラティリティの激しい市場において、あえて手動での取引を好む層と、自動的な積み立てを好む層で二極化が進んでいると考えられます。
また、そもそも積立投資という選択肢を「知らなかった」と答えた人は5.75%と極めて少数でした。
情報のアップデートが早い暗号資産界隈において、主要な取引所が提供する積立サービスの認知度は非常に高く、投資家にとって身近な選択肢となっていることがデータから証明されました。
過去にやめた層が約3割で継続の難しさと出口戦略が浮き彫り

回答 | 回答数 | 割合 |
|---|---|---|
現在している | 404人 | 40.73% |
過去にしていたがやめた | 279人 | 28.13% |
知っているがしていない | 252人 | 25.40% |
知らなかった | 57人 | 5.75% |
注目すべきは「過去にしていたがやめた」と回答した人が28.13%にのぼる点です。
積立投資は長期的な資産形成に向く手法ですが、暗号資産特有の急激な相場変動や、目標金額の達成、あるいは資金使途の変化によって途中で利用を停止するケースが少なくありません。
この「離脱層」の多さは、積立投資がいかに継続の意志を問われる手法であるかを示唆しています。
特に下落局面で評価損を抱えた際に、機械的な購入を継続できずに中断してしまった投資家が、この約3割の中に一定数含まれている可能性が高いと推測されます。
あるいは、積立によって十分な利益を得たことで一旦利益確定を行い、次の投資機会を伺っている「戦略的停止」のパターンも考えられるでしょう。
単に「やめた」という事実だけでなく、その背景には暗号資産市場特有のスピード感や、個々の投資家が抱えるリスク許容度の変化が色濃く反映されています。
認知率94%超えも実践に至らない層の心理的壁

回答 | 回答数 | 割合 |
|---|---|---|
現在している | 404人 | 40.73% |
過去にしていたがやめた | 279人 | 28.13% |
知っているがしていない | 252人 | 25.40% |
知らなかった | 57人 | 5.75% |
今回の調査では、積立投資の存在を知っている人は合計で94.26%に達しており、暗号資産投資家にとっての常識となっていることが判明しました。
しかし、認知しているにもかかわらず「していない」と答えた25.40%の層には、積立特有の「もどかしさ」が影響していると考えられます。
積立は低リスクである反面、短期間で爆発的な利益を狙う「億り人」的な投資手法とは対極に位置します。
大きなチャンスを逃したくないという心理や、自分の判断で売買のタイミングを決めたいという主体的な投資欲求が、自動積立への移行を止めている要因かもしれません。
また、少額から始められるメリットがある一方で、まとまった資金を一度に投入したいと考える層にとっては、積立は非効率に映る場合もあります。
手法としてのメリットを十分に理解しつつも、あえて採用しないという選択は、投資家それぞれのマーケットに対する向き合い方の違いを明確に示しています。
投資スタイル別の積立実施率でガチホ勢の52%が積立中
長期保有派の半数以上が積立を継続し手法の親和性が浮き彫り
投資スタイルと積立実施状況をクロス集計した結果、長期保有(ガチホ)を掲げる投資家の52.0%が現在も積立を継続していることが判明しました。
「価格変動に一喜一憂せず持ち続ける」というガチホの思想と、機械的に買い増しを続ける積立投資は、戦略面で極めて高い親和性を持っているといえるでしょう。
この層は「過去にやめた」割合も16.2%と全スタイルの中で最も低く、一度始めた積立を長く維持する傾向がデータに顕著に表れています。
短期的な価格の上下を無視し、数年単位の将来価値に期待する投資家にとって、積立は最もストレスの少ない合理的な選択肢として定着している様子が伺えます。
一方で、自らを「積立派」と定義している層でも、現在実施している割合は48.0%にとどまり、約3割がすでに利用を停止している点は興味深い事実です。
積立をメイン手法としながらも、市場のフェーズや自身の資金状況に応じて柔軟にアクセルとブレーキを使い分けている投資家の実態が浮き彫りとなりました。
複数併用派は4割超が積立を停止し手法の取捨選択が加速
投資スタイル | 現在している | 過去にしていたがやめた | 知っているがしていない | 知らなかった |
|---|---|---|---|---|
複数を併用 | 36.4% | 43.2% | 13.6% | 6.8% |
複数の投資手法を使い分ける「併用派」においては、43.2%という高い割合で積立を「過去にしていたがやめた」と回答しています。
さまざまな投資戦略を試行錯誤する中で、積立という手法が自分の投資効率や性格に合わないと判断し、別の手法へ資金を振り向けた結果だと推察されます。
併用派は市場環境の変化に敏感であり、上昇局面では現物購入やレバレッジ取引を強化し、横ばい局面では積立を停止するなど、機動的な判断を下している可能性があります。
「知っているがしていない」割合が13.6%と低いことからも、まずは一度試してみた上で、自分なりのポートフォリオを再構築した跡が見て取れます。
積立投資を資産形成の「土台」とするのではなく、あくまで数ある選択肢の一つとして捉える投資家にとって、停止という判断はネガティブなものではありません。
むしろ、暗号資産という多様な運用が可能な市場において、自身の投資目的に最適化された手法を選び抜く過程で、積立から離脱する層が一定数生まれるのは必然といえるでしょう。
短期売買派は実施率25%で最低も4人に1人は併用
投資スタイル | 現在している | 過去にしていたがやめた | 知っているがしていない | 知らなかった |
|---|---|---|---|---|
短期売買(トレード) | 25.0% | 36.4% | 31.1% | 7.6% |
短期売買をメインとする投資家の積立実施率は25.0%と、全スタイルの中で最も低い数値となりました。
トレードによる即時的な利益確定を重視するスタイルにとって、長期間資金が拘束され、平均取得単価を平準化させる積立は、資金効率の面で魅力が薄いと感じられやすい傾向にあります。
しかし、短期売買派であっても4人に1人が積立を継続しているという事実は、リスクヘッジとしての積立需要を物語っています。
日々のトレードでアクティブに利益を狙いつつ、並行して「守りの資産」としてビットコインなどをコツコツ積み立てるという、二段構えの戦略をとる投資家が一定数存在しています。
一方で「知っているがしていない」割合が31.1%と最も高く、手法としてのメリットは理解しつつも、あえて手を出さない姿勢が明確です。
自分の技術で相場を読み切りたいというトレーダー特有の自負が、システムに任せる積立投資とは一線を画す要因となっているのかもしれません。
積立をやめた人の理由と投資方針から見える継続の壁
投資を増やしたい意向は58%超えも積立離脱は3割
2026年投資方針 | 割合 |
|---|---|
少し増やしたい | 41.2% |
現状維持 | 27.9% |
大幅に増やしたい | 17.3% |
撤退を検討 | 8.4% |
少し減らしたい | 5.2% |
2026年の投資方針を調査したところ、「大幅に増やしたい」と「少し増やしたい」を合わせた前向きな層は58.5%に達しました。
これほど多くの投資家が市場に対して強気な姿勢を見せている一方で、積立投資を「過去にしていたがやめた」層が28.1%存在するという事実は見過ごせません。
投資額を拡大したいという意欲がありながら積立を停止した背景には、効率性の追求が関係していると考えられます。
積立は着実な資産形成には向きますが、相場の過熱感が高まる局面では、一括投資や特定のアルトコインへの集中投資に切り替える判断を下す投資家が少なくありません。
また、市場全体への期待感は維持しつつも、積立という「手段」そのものを一旦リセットする動きも推測されます。
強気相場において、ただ淡々と買い続けるだけでなく、よりリターンの大きい手法へと資金を循環させる戦略的な離脱が、この約3割の数字に含まれているのでしょう。
撤退検討者の約8%は積立の挫折が要因となる可能性
2026年投資方針 | 割合 |
|---|---|
撤退を検討 | 8.4% |
少し減らしたい | 5.2% |
今回の調査で「撤退を検討」している投資家は8.4%にとどまり、市場全体としては依然として高い定着率を維持しています。
しかし、この撤退層の中には、積立投資を途中で断念したことが投資自体へのネガティブな印象に繋がってしまったケースが含まれている懸念があります。
積立投資は下落局面でも買い続ける胆力が求められますが、評価損に耐えきれず停止した経験は、投資家にとって心理的な痛手となります。
一度積立を「失敗」と捉えてしまうと、暗号資産市場そのものからの離脱を選択する動機になりやすく、継続の難しさが浮き彫りになっています。
一方で、投資額を「少し減らしたい」とする5.2%の層は、リスク管理の一環として積立額を調整している段階といえます。
完全な撤退ではなく、ポートフォリオのバランスを整えるための冷静な判断を下している層であり、市場との健全な距離感を保とうとする姿勢が伺えます。
現状維持を選択する約28%の層は積立再開の予備軍
2026年投資方針 | 割合 |
|---|---|
現状維持 | 27.9% |
投資方針として「現状維持」を選んだ27.9%の層は、積立投資を「知っているがしていない」層や「やめた」層との親和性が高いセグメントです。
現在は積極的な買い増しを控えているものの、暗号資産に対する信頼感は失っておらず、次のトレンドを静観している状態といえるでしょう。
この層にとって、積立投資は再び市場へ深く関与するための「再エントリー」の手段として非常に有効です。
一度やめた経験があっても、市場が安定期に入ったり、新たな将来性が示されたりすれば、再び積立による着実な運用に戻る可能性を十分に秘めています。
現状維持という選択は、言い換えれば「いつでも動ける準備ができている」状態でもあります。
積立を「知らない」層がわずか5.7%という認知度の高さを踏まえれば、きっかけ一つでこれらの層が再び積立実践者へと転じる市場の厚みが確認できました。
2026年の投資方針は58.5%が投資額を増やしたい意向
投資拡大派が過半数を占め暗号資産市場への強気姿勢が鮮明

回答 | 回答数 | 割合 |
|---|---|---|
少し増やしたい | 409人 | 41.2% |
現状維持 | 277人 | 27.9% |
大幅に増やしたい | 172人 | 17.3% |
撤退を検討 | 83人 | 8.4% |
少し減らしたい | 51人 | 5.2% |
2026年の投資方針を調査したところ、「少し増やしたい(41.2%)」と「大幅に増やしたい(17.3%)」を合わせた投資拡大派が58.5%に達しました。
暗号資産市場に対して過半数の投資家が依然として強気な展望を持っており、資産形成の主要な手段として期待を寄せていることが浮き彫りとなっています。
特に「大幅に増やしたい」とする層が約17%存在することは、ボラティリティの激しい相場環境においても、高いリターンを狙う意欲的な投資家が一定数定着していることを示唆しています。
ビットコインをはじめとする主要資産への信頼感に加え、新たな技術やプロジェクトへの関心が継続している結果だといえるでしょう。
一方で、無謀な拡大ではなく「少し増やしたい」という慎重な姿勢が最多である点も注目すべきポイントです。
一攫千金を狙うギャンブル的な投資から、自身の余剰資金の範囲内で着実に資産を積み上げようとする、成熟した投資家心理がデータに反映されています。
投資家たちは、単なるブームに踊らされるのではなく、長期的な視点で資産を配分しようとする傾向を強めています。
このような前向きな投資意向は、積立投資の市場が今後も拡大し続けるための強力なエンジンとなるはずです。
2026年に向けて、暗号資産はより一般的な資産クラスとしての地位を確立していく過程にあると分析できます。
現状維持が約28%で市場の底堅さと静観する投資家層の実態
回答 | 回答数 | 割合 |
|---|---|---|
現状維持 | 277人 | 27.9% |
投資方針として「現状維持」を選択した投資家は27.9%となり、約3割が現在のポートフォリオを維持する構図となりました。
この層は、急激な追加投資こそ控えているものの、保有資産を売却することなく市場に留まり続けている「底堅い層」であると解釈できます。
現状維持という判断の背景には、相場の方向性を見極めようとする冷静な観察眼や、すでに自分なりの理想的な資産配分を完了しているという自信が見て取れます。
無理に動かずチャンスを待つという姿勢は、長期的な資産形成において重要な要素であり、市場の安定化に寄与している側面もあるでしょう。
また、積立投資を継続している層にとっても、設定を変えずに淡々と買い続けることは「現状維持」の範疇に含まれる可能性があります。
過度な熱狂に流されず、自分なりの投資ルールを遵守し続ける堅実な投資家層が、暗号資産市場の厚みを支えている事実は非常に重要です。
静観という選択は、必ずしも消極的な姿勢を意味するものではなく、次の大きな波に備えた戦略的な待機ともいえます。
暗号資産市場特有のスピード感に対し、あえて動かないことでリスクをコントロールしようとする賢明な判断が伺えます。
これらの投資家が将来的に「拡大派」へと転じる可能性は十分にあり、市場の潜在的な成長余力を担保しています。
撤退検討は1割未満でネガティブ層を大幅に上回る期待感
回答 | 回答数 | 割合 |
|---|---|---|
撤退を検討 | 83人 | 8.4% |
少し減らしたい | 51人 | 5.2% |
「撤退を検討(8.4%)」および「少し減らしたい(5.2%)」と回答した縮小派は、合わせて13.6%にとどまる結果となりました。
投資拡大派の58.5%と比較するとその差は圧倒的であり、市場から離れていく層よりも、新たに資金を投じようとするエネルギーが遥かに勝っている状況です。
撤退を検討する理由としては、目標金額の達成による利益確定や、リスク許容度の変化などが考えられますが、全体から見ればごく一部の動きに過ぎません。
暗号資産が「一時的な流行」ではなく、持続的な投資対象として多くの人々に認識されていることが、この低い離脱意向からも証明されています。
「少し減らしたい」とする層がわずか5%程度であることも、保有資産の価値上昇に対する期待がいかに根強いかを物語っています。
一部の投資家が離れる一方で、それを遥かに上回る層が参入・拡大を狙うという、極めて健全な市場の循環構造が見て取れます。
2026年に向けて、投資家たちは一部の縮小要因を抱えつつも、全体としてはさらなる市場の成長に強い確信を持っていることが明らかとなりました。
たとえ短期的な価格調整が起きたとしても、過半数が「増やしたい」と考えている事実は、相場を下支えする強力な要因となるでしょう。
暗号資産投資はもはや特殊なものではなく、将来を見据えた現実的な選択肢として確立されたといっても過言ではありません。
まとめ
今回の調査の結果、暗号資産市場における積立投資は、投資家の約4割が実践する主要な手法として定着していることが明らかになりました。
特に「ガチホ」と称される長期保有派においては52.0%という高い実施率を誇り、資産形成の土台として深く浸透しています。
一方で、約28%が過去に積立を断念しているという事実は、ボラティリティの激しい暗号資産市場で「継続」することの難しさを物語っています。
短期的な価格変動や評価損に直面した際、いかに機械的なルールを維持できるかが、投資成果を分ける境界線となっています。
2026年に向けては、58.5%もの投資家が投資額を「増やしたい」という強気な意向を示しています。
積立投資は、こうした拡大意欲を持つ投資家にとって、リスクを分散しながら着実に歩を進めるための最も現実的な選択肢であり続けるでしょう。
手法の認知度は94%を超えており、今後は「知っている」段階から、いかに自身のスタイルに最適化して「使いこなす」かが重要になります。




