夫婦のあいだで、お金の話はどこまで共有されているのでしょうか。家計や貯蓄は話しても、投資、とりわけ値動きの大きい仮想通貨となると、配偶者に伝えていない人は少なくありません。

Claboは、既婚で暗号資産を保有(または保有経験のある)566人にアンケートを実施しました。その結果、配偶者に仮想通貨を内緒にしている人は3割を超え、隠している評価額は4人に1人が100万円以上にのぼることがわかりました。さらに、自分に万一のことがあったとき、家族が仮想通貨に辿り着けないと答えた人が半数近くを占めています。

「内緒の投資」は夫婦関係の問題にとどまりません。誰にも引き継げないまま資産が宙に浮く、相続・終活のリスクとも地続きになっていました。本調査で見えてきた実態を、データに沿って整理します。

※本記事の数値は、回答者本人の自己申告にもとづく集計です。

1. 配偶者へ投資状況を伝えていない割合は23.3%

まず、配偶者に投資状況をどこまで共有しているかを尋ねました。「全銘柄まで共有している」は20.7%にとどまり、「一部だけ共有している」が33.7%で最も多くなっています。「ほぼ内緒にしている」「投資していること自体を隠している」を合わせると、実質的に内緒の状態にある人が23.3%でした。

1-1. 投資状況の共有度(n=566)

共有度

回答数

割合

全銘柄まで共有している

117

20.7%

総額のみ共有している

126

22.3%

一部だけ共有している

191

33.7%

ほぼ内緒にしている

82

14.5%

投資していること自体を隠している

50

8.8%

1-2. 既婚投資家の32.2%が配偶者に仮想通貨を内緒にしている

何を内緒にしているか(複数回答)を見ると、最も多いのは株式の46.8%で、投資信託35.5%、仮想通貨32.2%と続きます。仮想通貨を内緒にしている人は566人中182人でした。一方で「内緒にしているものはない」と答えた人も20.7%います。

内緒にしている資産(複数回答・n=566)

回答数

割合

株式

265

46.8%

投資信託

201

35.5%

仮想通貨

182

32.2%

FX

59

10.4%

その他

47

8.3%

内緒にしているものはない

117

20.7%

1-3. 「持っていること」より「いくらか」が伏せられている

共有していると答えた層でも、その中身は「一部だけ」が中心でした。投資の存在は明かしても、銘柄や総額までは伝えない。お金の話のうち、金額に関わる部分ほど夫婦のあいだで伏せられている様子がうかがえます。

2. 内緒の仮想通貨、4人に1人が100万円超

仮想通貨を内緒にしている182人に、その評価額を尋ねました。「〜10万円」が28.6%で最も多い一方、「100万円以上」を合計すると42.3%にのぼります。少額の人と、まとまった額を隠している人に分かれる結果でした。

2-1. 隠している評価額の分布(n=182)

評価額

回答数

割合

〜10万円

52

28.6%

10〜50万円

29

15.9%

50〜100万円

24

13.2%

100〜300万円

30

16.5%

300〜500万円

19

10.4%

500〜1000万円

14

7.7%

1000万円〜

14

7.7%

2-2. 投資総資産が大きい人ほど、隠している額も大きい

内緒にしている金額を投資総資産額と掛け合わせると、両者がはっきり連動していました。投資総資産が1億円以上の層では、内緒の仮想通貨が1000万円以上に達する人が67%を占めます。逆に総資産100万円未満の層では、62%が内緒の額も10万円未満にとどまりました。資産規模が上がるほど、配偶者に伏せている金額も大きくなる傾向が読み取れます。

内緒の額 \ 投資総資産

〜100万円

100〜500万円

500〜1000万円

1億円〜

〜10万円

62%

9%

11%

13%

100〜300万円

5%

32%

37%

7%

1000万円〜

2%

0%

0%

67%

※各列(投資総資産額)内の構成比。

3. 内緒にする理由の1位は「自由に使いたい」45.4%

なぜ配偶者に伏せるのか。内緒にしている449人に理由を尋ねたところ、「自分の判断で自由に使いたいから」が45.4%で突出していました。「損失を責められたくないから」22.5%、「ギャンブルのように扱われるから」18.0%が続きます。反対を避けるためというより、自分の裁量で動かしたいという動機が前に出ています。

3-1. 内緒にする理由(複数回答・n=449)

理由

回答数

割合

自分の判断で自由に使いたいから

204

45.4%

損失を責められたくないから

101

22.5%

ギャンブルのように扱われるから

81

18.0%

なんとなく

72

16.0%

反対されそうだから

66

14.7%

金額が大きく言い出せないから

42

9.4%

その他

24

5.3%

3-2. 内緒の状態は長期化している

内緒にしている期間は「3年以上」が53.0%と過半数を占めました。一時的に伏せているというより、長く続く常態になっています。

内緒にしている期間(n=449)

回答数

割合

3年以上

238

53.0%

半年〜1年

98

21.8%

1〜3年

81

18.0%

半年未満

32

7.1%

4. 4割超が「気づかれている」、それでも「問題なし」53%

内緒にしているつもりでも、配偶者が気づいている例は珍しくありません。「過去にバレた経験がある」25.8%、「バレたが黙認されている」18.7%を合わせると、44.5%が何らかの形で気づかれていました。

4-1. バレた経験(n=449)

バレた経験

回答数

割合

ない

249

55.5%

ある

116

25.8%

バレたが黙認されている

84

18.7%

4-2. バレても「特に問題ない」が半数

バレた場合の夫婦関係への影響は、「特に問題はない」が53.0%で最多でした。「一時的に不和になった」16.4%、「離婚の危機になった」6.9%と、深刻なケースは限られています。隠し事ではあっても、家庭が大きく揺れる事態には至りにくいことがうかがえます。

バレたときの影響(n=566)

回答数

割合

特に問題はない

300

53.0%

一時的に不和になった

93

16.4%

まだバレていない

93

16.4%

喧嘩になった

41

7.2%

離婚の危機になった

39

6.9%

5. 「自分に万一」で家族が資産に辿り着けないが47.5%

内緒の投資には、夫婦関係とは別の論点があります。本人にしか管理情報がわからない資産は、万一のときに家族へ引き継げません。

「自分に万一のことがあったとき、家族が仮想通貨にアクセスできるか」という問いには、「できない」が47.5%でした。「一部できる」24.4%を含めても、完全に引き継げる状態の「できる」は14.0%にとどまります。

5-1. 家族の資産アクセス可否(n=566)

アクセス可否

回答数

割合

できない

269

47.5%

一部できる

138

24.4%

わからない

80

14.1%

できる

79

14.0%

5-2. 相続・終活対策は3割が未着手のまま不安を抱える

相続・終活対策の状況は、「検討中」31.6%、「未着手で不安がある」29.7%が中心で、「実施済み」は14.3%にとどまりました。多くが必要性を感じながらも、具体的な備えには進んでいません。

相続・終活対策の状況(n=566)

回答数

割合

検討中

179

31.6%

未着手で不安がある

168

29.7%

必要性を感じていない

138

24.4%

すでに実施済み

81

14.3%

5-3. 終活が進んでいない人ほど、家族もアクセスできない

家族のアクセス可否と相続・終活対策を掛け合わせると、両者は連動していました。終活を「実施済み」の層では44%が「家族はアクセスできる」と答えたのに対し、「未着手で不安」の層は61%、「必要性を感じない」の層は63%が「アクセスできない」と回答しています。備えの有無が、そのまま引き継ぎやすさの差になっていました。

家族のアクセス \ 終活対策

実施済み

検討中

未着手で不安

必要性を感じない

できる

44%

13%

7%

6%

できない

17%

37%

61%

63%

※各列(終活対策の状況)内の構成比。

6. まとめ

今回の調査では、既婚投資家の投資開示をめぐって次の点が明らかになりました。

  • 配偶者に仮想通貨を内緒にしている人は32.2%。内緒の資産は株式・投資信託・仮想通貨の順に多い。
  • 内緒の仮想通貨は「100万円以上」が42.3%。投資総資産が大きい人ほど隠している額も大きい。
  • 内緒にする理由は「自分の判断で自由に使いたい」が45.4%で最多。内緒の状態は3年以上が過半数と長期化している。
  • 過去にバレた・黙認されているを合わせると44.5%。一方で関係への影響は「特に問題ない」が53.0%。
  • 万一のとき家族が仮想通貨にアクセスできない人が47.5%。終活対策が進んでいない層ほどアクセスもできない。

「内緒の投資」は夫婦のコミュニケーションの話として語られがちですが、データを見ると、引き継ぎや相続といった資産管理の論点と重なっていることがわかります。本人だけが管理情報を握る状態は、関係が円満かどうかとは別に、資産が宙に浮くリスクを抱えているといえます。

7. 調査概要

  • 調査名:既婚者の「内緒の投資」実態調査
  • 調査主体:株式会社Clabo
  • 調査方法:インターネット調査(セルフ型アンケート)
  • 調査対象:既婚で暗号資産を保有、または保有経験のある男女
  • 有効回答数:566名
  • 実施時期:2026年5月
  • 注記:本記事の数値は回答者本人の自己申告にもとづきます。割合は各設問の回答者数を分母として算出しており、複数回答の設問は合計が100%を超えます。

出典を「株式会社Clabo調査」と明記いただければ、図表・数値の引用・転載は可能です。

8. 主な調査設問

Q1 配偶者に、ご自身の投資状況をどの程度共有していますか。
Q2 配偶者に内緒にしている投資資産は何ですか。あてはまるものをすべてお選びください。
Q3 配偶者に内緒にしている仮想通貨の現在の評価額は、どのくらいですか。
Q4 配偶者に投資を内緒にしている理由として、あてはまるものをすべてお選びください。
Q5 配偶者に内緒にしている状態は、どのくらいの期間続いていますか。
Q6 配偶者に投資を内緒にしていることが、過去にバレた経験はありますか。
Q7 内緒にしていることがバレた場合、ご夫婦の関係にどのような影響がありましたか、またはあると思いますか。
Q8 あなたに万一のことがあったとき、ご家族はあなたの仮想通貨にアクセスできますか。
Q9 仮想通貨を含む資産の相続・終活対策について、現在の状況に最も近いものをお選びください。
Q10 あなたの投資総資産額(仮想通貨を含む)はどのくらいですか。
Q11 あなたの仮想通貨・投資における立場として、最も近いものをお選びください。
Q12 配偶者に投資を内緒にしている理由や、印象に残っているエピソードがあれば自由にお書きください。
Q13 あなたに万一のことがあったとき、資産がきちんと家族に渡るか不安はありますか。あれば、どの様な不安があるか教えてください。