暗号資産のウォレットを作成すると、12個の英単語が表示されます。この12個の英単語は「リカバリーフレーズ」や「シードフレーズ」と呼ばれ、ウォレットを復元するために必要な重要な情報です。
リカバリーフレーズは大切に保管しておかないと、資産にアクセスできなくなったり、第三者に資産を奪われたりする可能性があります。そのため、重要性を理解し、正しく保管することが大切です。
実際に当社にご相談いただいた埼玉県在住の女性も、サービスが終了してしまったアルタウォレットからリカバリーフレーズを使用し、約6.5ETHの復旧に成功しました。
この記事では、この12個の英単語から成るリカバリーフレーズの役割や、安全に管理するためのポイントを分かりやすく解説します。
そもそも12個の英単語で構成されるリカバリーフレーズとは?

冒頭でもお伝えした通り、リカバリーフレーズとは、暗号資産のウォレットを作成した際に表示される12個の英単語で構成された情報です。ウォレットの初期設定時に一度だけ表示されることが一般的で、ユーザー自身が記録・保管する必要があります。
ウォレットの種類や設定によっては、12個ではなく24個の英単語で構成されるケースもあります。単語数に違いはありますが、いずれもウォレットを管理するうえで重要な役割を持つ点は共通しています。
リカバリーフレーズには複数の呼び方があり、例えば、以下の名称で表記されることもあります。
- リカバリーフレーズ
- シードフレーズ
- シークレットリカバリーフレーズ
- ニーモニックフレーズ
12個の英単語は一見すると単なる単語の羅列に見えますが、ウォレットや資産に関わる重要な役割を持っています。では、具体的にどのような場面で使われるのでしょうか。
ウォレットの復元時に使用する大事な情報
リカバリーフレーズは「ウォレットを復元するとき」に使用する大事な情報です。例えば、以下のような理由で利用中のウォレットにアクセスできなくなることがあります。
- スマートフォンの故障や紛失により、ウォレットアプリが使えなくなった。
- 機種変更した際に、旧端末のデータを引き継ぎ忘れた。
- ウォレットアプリを削除してしまった。
- ログイン情報(パスワードなど)を忘れた。
- 利用していたウォレットサービスが終了していた。
こうした状況では、ウォレットに直接アクセスできないため、資産を確認したり送金したりすることができなくなります。つまり、ウォレットを復元しない限り、預けている資産にアクセスできない状態になります。そのようなときに使用するのが、リカバリーフレーズです。
これを使うことで、別の端末やウォレットアプリ上に同じウォレットを再現し、再び資産にアクセスできるようになります。つまり、リカバリーフレーズは資産を取り戻すために使用する重要な情報なのです。
リカバリーフレーズで約6.5ETHの資産を復元した事例
では、実際にリカバリーフレーズを使用して資産を復元した事例を見てみましょう。これは、弊社にご相談があった40代女性(埼玉県在住)の事例です。
2018年頃にアルタウォレットでETHを保管していましたが、アプリのサービスが終了しており、ウォレット自体を開くことができない状態になっていました。
そのため、保有していた資産の確認や操作ができず、実質的にアクセス不能な状況に。ただし、当時メモしていた12個の英単語で構成されたリカバリーフレーズは手元に残っている状況でした。
そこで、リカバリーフレーズが他のウォレットでも利用できる点に着目し、対応しているウォレットであるMetaMaskにフレーズを入力して復元を試みました。結果として、MetaMask上で約6.5ETHの資産が表示され、問題なくアクセスできる状態が確認されました。
このように、ウォレットが使えなくなってもリカバリーフレーズがあれば資産を取り戻せる可能性があります。
リカバリーフレーズの正しい扱い方

リカバリーフレーズは、暗号資産のウォレットに紐づく資産へアクセスするための重要な情報です。それゆえ、扱いを誤ると重大なトラブルにつながる可能性があります。
実際に、保管や管理の仕方が不十分だったことで、資産にアクセスできなくなったケースや、第三者に知られて資産を奪われてしまったケースも存在します。このようなリスクを避けるためには、リカバリーフレーズをどのように扱うべきか正しく理解しておくことが重要です。
ここからは、リカバリーフレーズの具体的な扱い方や管理方法についてご紹介します。
リカバリーフレーズの保管方法
リカバリーフレーズをスクリーンショットやメモアプリで管理する人もいますが、こうした方法はあまり推奨されません。その理由は、デジタルデータは外部に漏れるリスクがあるためです。
スマートフォンの不正アクセスやマルウェア感染、クラウドサービスの情報流出などによって、意図せず第三者に知られてしまう可能性があります。そのため、実際には紙にメモして保管するなど、あえてデジタルから切り離した方法が推奨されています。
ただし、この場合でも第三者に見られる可能性があるほか、火災や水害によって失われるリスクもあるため、自宅の保管場所を工夫したり、複数に分けて管理するなどの対策が必要です。
長期的に保管する場合は、金属プレートに刻印する方法も検討できます。金属は紙に比べて耐久性が高く、劣化や破損のリスクを抑えられるため、長期間にわたって安全に保管しやすくなります。
リカバリーフレーズは再発行されない
リカバリーフレーズは、基本的にウォレット作成時に一度だけ発行される情報です。ウォレットによっては確認のために再表示できる場合もありますが、セキュリティ上の理由から再表示できないケースもあります。そのため、初めて表示されたタイミングで正確に記録しておかなければなりません。
もしこの時点で保管していなかったり、12個の英単語を間違えて記録していたり、フレーズを紛失してしまったりした場合、ウォレットの復元ができなくなります。その結果として、ブロックチェーン上に資産が残っていたとしてもアクセスする手段がなくなるため、事実上取り出せない状態になる可能性があります。
第三者にリカバリーフレーズを教えてはいけない
暗号資産のウォレットは、リカバリーフレーズを知っている人が資産を自由に操作できる仕組みです。あなたの資産であっても、第三者がリカバリーフレーズを把握していれば、その人が勝手に資産を移動させることができてしまいます。
この仕組みを悪用し、リカバリーフレーズを盗み取ろうとする詐欺も多く存在します。例えば、公式サイトに似せた偽サイトにフレーズを入力させたり、サポートを装ったメールやメッセージで聞き出そうとする手口があります。
基本的に、公式のウォレットやサービスがリカバリーフレーズの入力や共有を求めることはありません。そのため、フレーズの入力や提示を求められた場合は、詐欺である可能性を疑う必要があります。
リカバリーフレーズを知られて奪われた資産は、取り戻すことが難しくなります。どのような理由があっても、リカバリーフレーズを他人に教えないようにしましょう。
まとめ

リカバリーフレーズは、発行されたタイミングではその重要性に気づきにくいものです。実際には、ウォレットの復元に使用されることや、基本的に再発行できない仕組みであることを踏まえると、その重要性は明らかです。一度でも管理を誤ると、資産にアクセスできなくなる、あるいは第三者に奪われるといったリスクにつながります。
また、紙での保管や分散管理など、適切な管理には一定の手間がかかります。しかし、この手間こそが資産を守るための前提となります。
リカバリーフレーズの扱い方が、そのまま資産の安全性を左右します。軽視せず、確実に保管・管理することが重要です。

