MyEtherWallet」にログインできず、保有している暗号資産を確認できないというケースは少なくありません。ログイン方法が分からない、パスワードを忘れてしまったといった理由から、アクセスできない状態になることがあります。

当社にも同様のご相談があり、実際に復旧対応をおこなった事例があります。ログイン情報が分からない状態でしたが、別の情報をもとに復元し、約15ETHの復旧に成功しました。

暗号資産はサービス上に保存されているわけではなく、ブロックチェーン上に記録されています。そのため、必要な情報が手元に残っていれば、ログインできなくても資産にアクセスできる可能性があります。

この記事では、当社の復旧事例をもとに、MyEtherWalletにログインできない場合の考え方と、具体的な対処方法を解説します。

MyEtherWalletのログイン復元事例

当社には、MyEtherWalletにログインできず、資産にアクセスできないというご相談が寄せられたことがあります。今回ご紹介するのも、実際に当社が対応した復旧事例のひとつです。保有していた情報をもとに別の方法で対応をおこない、最終的には資産へのアクセスを回復することができました。

ここでは、当時どのような問題が発生していたのか、そしてどのような情報が残っていたのかを具体的に解説します。

発生していた問題と当時の状況

今回ご相談いただいたのは、東京都在住の50代女性の方です。約8年前に暗号資産を購入し、ICOへの参加を目的としてMyEtherWalletを作成されていました。その後は長期間ウォレットを利用しておらず、価格上昇をきっかけに資産の確認を試みたものの、ログイン方法が分からずアクセスできない状態となっていました。

当社でヒアリングをおこなったところ、パスワードやリカバリーフレーズは不明であり、一般的なログイン手順では対応できない状況でした。ウォレットの仕様も過去から変更されているため、当時の記憶だけでは復元が難しいケースです。

一方で、いくつかの手がかりとなる情報が残っていることが確認できました。ただし、その情報をどのように扱うかによって、復元できるかどうかが大きく変わる状態でした。

当社としては、まず状況を整理したうえで、どの情報をもとに復元を進めるべきかを判断し、対応方針を決定しました。

MyEtherWalletに預けていた資産を復元できた理由

今回のケースで復元できた理由は「秘密鍵」が手元に残っていたためです。

秘密鍵とは、ウォレットにアクセスするための情報であり、暗号資産を操作する権限そのものにあたります。MyEtherWalletのようなウォレットは、サービスにログインして利用する仕組みではなく、この秘密鍵をもとにブロックチェーン上の資産へアクセスする構造になっています。

そのため、パスワードやログイン方法が分からない場合でも、秘密鍵があれば別のウォレットを使って資産にアクセスすることが可能です。

当社では、まず秘密鍵の形式を確認し、対応しているウォレットを選定しました。そのうえで、MetaMaskに秘密鍵をインポートし、必要に応じてトークンコントラクトを追加することで、保有していた資産を表示させる対応をおこなっています。

その結果、作業開始から15分〜20分ほどで復旧が完了し、MetaMask上で約15ETHの資産にアクセスできる状態を回復しました。このように、秘密鍵が残っている場合は、適切な手順を踏むことで資産へのアクセスを回復できる可能性があります。

なぜMetaMaskを使ったのか

MetaMaskは、秘密鍵のインポートに対応しているウォレットであり、既存のウォレット情報を取り込むことが可能です。ブラウザ拡張として利用できるため、Ethereum系ウォレットとして広く利用されています。

MyEtherWalletでも秘密鍵を用いたアクセスは可能ですが、MetaMaskのようなウォレットを利用することで、環境によっては操作しやすくなる場合があります。今回のケースでも、MetaMaskを利用することで問題なく秘密鍵のインポートがおこなえ、短時間で資産の確認まで進めることができました。

このように、復元時は使用するウォレットの選択も重要なポイントとなります。

MyEtherWalletにログインできないときに確認すべきポイント

MyEtherWalletにログインできないとき、まずは手元にどのような情報が残っているかを整理することが重要です。復元できるかどうかは、操作方法ではなく「アクセスに必要な情報が残っているか」によって決まります。

具体的には「秘密鍵」や「リカバリーフレーズ」といった情報が該当します。これらはウォレットにアクセスするための基となる情報であり、どちらかがあれば復元できる可能性があります。一方で、これらの情報が一切残っていない場合は、資産にアクセスすることが難しくなります。再設定や再発行といったこともできないため、消失している場合には復元できない可能性が高いです。

このように、手元にある情報の内容によって、取るべき対応は大きく変わります。まずは自分の状況を正確に把握するところから始めましょう。

復元時に注意すべきポイント

復元作業は、正しい手順でおこなえば資産にアクセスできる可能性がありますが、対応を誤ると別のリスクを招くことがあります。特に、秘密鍵のような重要な情報を扱う場面では、取り扱いを誤ることで資産を失う可能性もあるため注意が必要です。

ここでは、復元作業において特に注意すべきポイントを解説します。

秘密鍵を第三者に共有しない

秘密鍵やリカバリーフレーズを第三者に共有すると、資産を失うリスクがあります。これらの情報はウォレットの操作権限そのものであり、一度でも知られてしまうと、第三者が自由に送金できる状態になります。そのため、原則としてこれらの情報は誰にも共有せず、自分で管理することが基本となります。

一方で、自力での対応が難しいとき、復旧を業者に相談するケースもあることでしょう。その場合、どこに依頼するかは慎重に判断しましょう。信頼性の低い相手に情報を渡してしまうと、そのまま資産を失うことがあります。

このように、秘密鍵やリカバリーフレーズは原則として自己管理が前提ですが、やむを得ず共有する場合は、そのリスクを理解したうえで対応しましょう。

フィッシングサイトや偽ウォレットに注意する

公式のサイトやSNSを装い、秘密鍵やリカバリーフレーズを盗み取る詐欺が確認されています。こうした手口は、警察庁などの公的機関も注意喚起しており、資産にアクセスできず焦っている状況では、冷静な判断が難しくなり被害につながる可能性があります。

公式とほとんど見分けがつかない見た目で作られているケースも多く、URLやデザインだけで真偽を判断するのは簡単ではありません。そのため、こうしたケースでは、一つの情報だけで判断するのではなく、複数の情報を照合することが重要です。

例えば、公式アプリの配布元や開発元の情報、信頼できるサービスなど、異なる経路で同じ情報が確認できるかを基準にすることで、誤ったサイトにアクセスするリスクを下げることができます。

少しでも不審に感じた場合は、そのまま操作を進めず、一度中断して状況を確認するようにしてください。

まとめ|適切な方法で復元できる可能性がある

MyEtherWalletにログインできなくても、資産が失われたわけではありません。今回の事例のように、秘密鍵などのアクセス情報が手元に残っていれば、別のウォレットを使って資産にアクセスできる可能性があります。

一方で、復元には正しい手順と判断が求められます。特に、秘密鍵やリカバリーフレーズの取り扱いを誤ると、資産を失うリスクがあるため注意が必要です。また、フィッシングサイトなどのリスクもあるため、情報の確認は慎重におこなう必要があります。

このように、復元できるかどうかは手元の情報と対応方法によって大きく変わります。自力での対応が難しい場合は、無理に進めるのではなく、一度状況を整理することが重要です。

判断に迷う場合や復元方法が分からない場合は、弊社Claboへご相談ください。状況に応じた適切な方法をご案内します。