暗号資産への関心が高まるなか、「最初に何を買えばいいのか」は多くの人が直面する問いです。
本記事では、暗号資産の購入経験者を含む504人を対象に実施した独自アンケート調査の結果をもとに、「最初に購入した暗号資産」のランキングや初回投資額、購入動機、情報収集の実態を詳細に分析しています。
調査対象504人のうち、暗号資産の購入経験があると回答した人は280人(55.6%)でした。本記事では、この280人の回答データを中心に、暗号資産投資の「最初の一歩」の実態を明らかにしていきます。
調査概要
項目 | 内容 |
|---|---|
調査時期 | 2026年2月24日 |
調査対象 | 全国の20歳以上の男女 504人 |
有効回答数 | 280人(暗号資産購入経験者) |
調査手法 | インターネットアンケート |
回答者属性 | 男性 67.9%/女性 32.1% |
年代構成 | 20代 17.1%、30代 30.4%、40代 22.5%、50代 22.1%、60代以上 7.9% |
世帯年収 | 400万円未満 31.1%、400〜800万円 50.7%、800万円以上 18.2% |
最初に購入した暗号資産ランキング|約9割がビットコイン(BTC)を選択
ランキング結果
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暗号資産名を具体的に回答した有効回答123人のうち、最初に購入した暗号資産として最も多かったのはビットコイン(BTC)で、109人(88.6%)が選択しました。2位以下を大きく引き離す圧倒的なシェアです。
順位 | 暗号資産名 | 回答数 | 割合 |
|---|---|---|---|
1位 | ビットコイン(BTC) | 109人 | 88.6% |
2位 | イーサリアム(ETH) | 5人 | 4.1% |
3位 | リップル(XRP) | 4人 | 3.3% |
4位 | ドージコイン(DOGE) | 1人 | 0.8% |
4位 | バイナンスコイン(BNB) | 1人 | 0.8% |
4位 | ネム(NEM) | 1人 | 0.8% |
※ 有効回答123人を母数として算出。「取引所名」や「暗号資産名以外の回答」は無効回答として除外しています。
ビットコインが選ばれる背景
ビットコインの圧倒的な選択率は、後述する購入動機の調査結果と一致しています。購入理由として「有名で安心だと思った」が最多であり、暗号資産のなかで最も知名度の高いビットコインに回答が集中した構造が読み取れます。
また、ビットコインは国内の主要な暗号資産交換業者すべてで取り扱われており、初心者にとって購入手段の面でもアクセスしやすい存在です。
年代別のビットコイン選択率
年代別に見ると、30代のビットコイン選択率が47.1%と最も高く、次いで20代(41.7%)、50代(35.5%)と続きます。60代以上では21.4〜25.0%に低下しており、高年齢層ほどビットコイン以外の回答や無効回答が増える傾向が確認されました。
年代 | ビットコイン選択率 | 回答者数 |
|---|---|---|
20代 | 41.7% | 48人 |
30代 | 47.1% | 85人 |
40代 | 34.9% | 63人 |
50代 | 35.5% | 62人 |
60代以上 | 22.7% | 22人 |
初回投資額は「1万円未満」が最多|約7割が5万円未満で開始
初回投資額の分布

初めて暗号資産を購入した際の投資額を尋ねたところ、「1万円未満」が112人(40.0%)で最多でした。「1〜5万円未満」の81人(28.9%)と合わせると、全体の約7割(68.9%)が5万円未満で暗号資産投資を開始しています。
初回投資額 | 回答数 | 割合 | 累計割合 |
|---|---|---|---|
1万円未満 | 112人 | 40.0% | 40.0% |
1〜5万円未満 | 81人 | 28.9% | 68.9% |
5〜10万円未満 | 54人 | 19.3% | 88.2% |
10〜30万円未満 | 21人 | 7.5% | 95.7% |
30万円以上 | 12人 | 4.3% | 100.0% |
経験年数との関係|投資開始1年未満の層は70%が1万円未満
経験年数別に初回投資額を見ると、「1年未満」の層は70.0%が1万円未満で開始しています。一方、「5年以上」の層では30万円以上と回答した人が22.2%に達しており、投資経験が長い人ほど初回から大きな金額を投じる傾向が見られます。
この傾向は、暗号資産市場への参入障壁が時間の経過とともに低下していることを示唆しています。少額から始められる環境が整備されたことで、近年の新規参入者はより慎重な金額で投資を開始していると考えられます。
性別による初回投資額の違い
性別で比較すると、女性は「1万円未満」が43.3%で男性(38.4%)よりもやや高い結果となりました。
一方、男性は「5〜10万円未満」が20.5%(女性16.7%)、「30万円以上」が5.3%(女性2.2%)と、初回からまとまった金額を投じる傾向が見られます。
最初の暗号資産を選んだ理由「知名度」と「値上がり期待」が二大動機
購入動機の全体傾向

最初に購入した暗号資産を選んだ最も大きな理由として、「有名で安心だと思った」が83人(29.6%)で最多となり、「価格が上がりそうだと感じた」が80人(28.6%)と僅差で続きました。この2つの動機で全体の約6割を占めています。
選んだ理由 | 回答数 | 割合 |
|---|---|---|
有名で安心だと思った | 83人 | 29.6% |
価格が上がりそうだと感じた | 80人 | 28.6% |
SNSやインフルエンサーの影響 | 50人 | 17.9% |
友人・知人のすすめ | 39人 | 13.9% |
少額から始められた | 13人 | 4.6% |
特に深く考えていない | 13人 | 4.6% |
その他 | 2人 | 0.7% |
年代別の購入動機|20代・60代はSNSの影響が顕著
年代別に見ると、30代は「有名で安心だと思った」が34.1%と最も高く、堅実な判断基準で暗号資産を選んでいます。一方、20代では「SNSやインフルエンサーの影響」が22.9%を占め、60代でも28.6%と高い割合を示しました。
この結果は、20代にとってSNSが日常的な情報接触チャネルであることに加え、60代においてもデジタルメディアを通じた投資情報への接触が一定程度進んでいることを示しています。
初回投資額別の購入動機|少額ほど「知名度」を重視
初回投資額が「1万円未満」の層では、「有名で安心だと思った」が39.3%と突出して高い結果でした。投資額が大きくなるにつれてこの割合は低下し、「5〜10万円未満」の層では「SNSやインフルエンサーの影響」が31.5%と最多となります。
少額で始める層は「知っている」ことを重視する傾向が強く、投資額が大きい層は外部からの情報や分析をもとに判断する傾向がうかがえます。
情報収集はYouTubeが最多|年代を問わず5割超が利用
情報源の利用状況(複数回答)

投資開始時に参考にしていた情報源を複数回答で尋ねたところ、YouTubeが164人(58.6%)で最多となりました。ニュースサイト(49.3%)、ブログ・個人サイト(33.2%)、X(旧Twitter)(32.9%)がこれに続きます。
情報源 | 回答数 | 選択率 |
|---|---|---|
YouTube | 164人 | 58.6% |
ニュースサイト | 138人 | 49.3% |
ブログ・個人サイト | 93人 | 33.2% |
X(旧Twitter) | 92人 | 32.9% |
専門家・書籍 | 85人 | 30.4% |
ほとんど調べていない | 25人 | 8.9% |
その他 | 11人 | 3.9% |
年代別のYouTube利用率|20代は70.8%と突出
YouTubeの利用率を年代別に見ると、20代が70.8%と最も高い水準です。30代以降も54〜59%の水準で推移しており、暗号資産の情報収集においてYouTubeが年代を問わず中心的な役割を果たしていることが分かります。
動画メディアの特性として、チャートの動きやウォレットの操作手順などを視覚的に把握できる点が、暗号資産という比較的新しいジャンルの学習に適していると推察されます。
年代 | YouTube利用率 | 回答者数 |
|---|---|---|
20代 | 70.8% | 48人 |
30代 | 58.8% | 85人 |
40代 | 54.0% | 63人 |
50代 | 54.8% | 62人 |
60代 | 57.1% | 14人 |
70歳以上 | 50.0% | 8人 |
「ほとんど調べていない」層も8.9%存在
一方、「ほとんど調べていない」と回答した人も25人(8.9%)存在しました。暗号資産は価格変動リスクが大きく、十分な情報収集なしに投資を開始することはリ���クを伴います。情報リテラシーの向上も、暗号資産市場の健全な発展において重要な課題です。
投資スタイルは「長期保有」が主流|経験5年超では約6割
投資スタイルの全体傾向

現在の投資スタイルについて、「長期保有が中心」と回答した人が136人(48.6%)で最多となりました。「短期売買が中心」は93人(33.2%)、「両方を組み合わせている」は41人(14.6%)、「現在は投資していない」は10人(3.6%)です。
経験年数との関係|経験を積むほど長期保有に移行
経験年数と投資スタイルのクロス集計からは、明確な傾向が浮かび上がります。投資経験5年以上の層では、長期保有が58.3%に達する一方、短期売買は13.9%にとどまります。
一方、経験1〜3年未満の層では短期売買が40.0%と最も高い割合です。暗号資産投資を始めて間もない時期は短期的な利益に関心が集まりやすいものの、市場経験を積むなかで長期的な視点に移行する投資行動が確認されました。
経験年数 | 長期保有 | 短期売買 | 両方 | 投資停止 |
|---|---|---|---|---|
1年未満 | 50.0% | 32.5% | 8.8% | 8.8% |
1〜3年未満 | 43.5% | 40.0% | 14.8% | 1.7% |
3〜5年未満 | 51.0% | 32.7% | 16.3% | 0.0% |
5年以上 | 58.3% | 13.9% | 25.0% | 2.8% |
最大の不安は「詐欺・ハッキング」|価格変動よりもセキュリティ懸念が上位
不安要素の全体傾向(複数回答)

暗号資産投資に関する不安要素について複数回答で尋ねたところ、「詐欺やハッキング」が144人(51.4%)で最多でした。「知識不足」が123人(43.9%)、「価格変動が大きい」が119人(42.5%)、「税金・確定申告」が111人(39.6%)と続きます。
一般的に暗号資産の最大のリスクとして「価格変動」が挙げられることが多いものの、実際の投資家が最も不安に感じているのはセキュリティ面であるという点は注目に値します。
不安要素 | 回答数 | 選択率 |
|---|---|---|
詐欺やハッキング | 144人 | 51.4% |
知識不足 | 123人 | 43.9% |
価格変動が大きい | 119人 | 42.5% |
税金・確定申告 | 111人 | 39.6% |
情報が多すぎて判断できない | 102人 | 36.4% |
特に不安はない | 21人 | 7.5% |
その他 | 8人 | 2.9% |
年代別の不安要素|20〜30代は「税金・確定申告」が約5割
年代別に分析すると、不安の内容に明確な差異が確認されました。20代・30代では「税金・確定申告」が約50%と高い割合を示しています。暗号資産の売却益は原則として雑所得に分類され、総合課税の対象となるため、確定申告に不慣れな若年層にとって大きな負担と感じられている可能性があります。
40〜50代では「知識不足」(50.8%・45.2%)や「情報が多すぎて判断できない」(50.8%・21.0%)が上位に入ります。特に40代の「情報過多」への不安は他の年代と比較して突出しており、仕事や家庭と並行しながら暗号資産の情報を整理する難しさが背景にあると推察されます。
60代以上では「価格変動が大きい」が57.1〜75.0%と最も高く、資産保全の観点からの懸念が強い傾向にあります。
今後求める情報は「投資スタイル診断」がトップ|自分に合った方法を知りたいニーズ
求める情報・サポート(複数回答)

今後、安心して投資を続けるために必要な情報やサポートを尋ねたところ、「投資スタイル診断」が139人(49.6%)で最多でした。「税務・確定申告の解説」が131人(46.8%)、「初心者向け解説記事」が96人(34.3%)と続きます。
求める情報 | 回答数 | 選択率 |
|---|---|---|
投資スタイル診断 | 139人 | 49.6% |
税務・確定申告の解説 | 131人 | 46.8% |
初心者向け解説記事 | 96人 | 34.3% |
専門家への相談 | 90人 | 32.1% |
特に必要ない | 29人 | 10.4% |
「投資スタイル診断」が求められる背景
最もニーズが高かった「投資スタイル診断」は、自分の投資行動やリスク許容度を客観的に把握したいという要望の表れです。暗号資産は長期保有から短期売買まで幅広いスタイルが存在しますが、自身に適した手法を判断するための基準が不足していると多くの投資家が感じていることがうかがえます。
「税務・確定申告の解説」が46.8%と高い割合を示した点も重要です。暗号資産の売却益に対する課税制度は複雑であり、正確な申告に必要な知識の提供が求められています。なお、暗号資産の税務処理については、個別の状況に応じて税理士への相談を推奨します。
まとめ:調査から見えた暗号資産初心者の実像
本調査の結果から、暗号資産投資の「最初の一歩」について、以下の5つの主要な知見が得られました。
- 最初に購入した暗号資産は約9割がビットコイン。 知名度と安心感が銘柄選定の最大の要因であり、30代のビットコイン選択率が最も高い結果でした。
- 初回投資額は約7割が5万円未満。 特に投資経験1年未満の層は70%が1万円未満から開始しており、少額スタートが主流となっています。
- 購入動機の二大要因は「知名度」と「値上がり期待」。 初回投資額が小さい層ほど知名度を重視し、投資額が大きい層ほど外部情報による影響が強い傾向が見られます。
- 情報収集の中心はYouTube。 全年代で5割超が利用しており、20代では約7割に達します。動画メディアが暗号資産学習の主要チャネルとなっています。
- 最大の不安は「詐欺・ハッキング」であり、価格変動を上回ります。 年代別では20〜30代は税務、40〜50代は情報過多、60代以上は価格変動への懸念がそれぞれ際立ちます。
暗号資産市場は、制度整備や技術革新を経て参入障壁が低下し続けています。本調査が示すように、多くの人が少額から慎重に投資を始めており、「特別な人のための投資」という認識は変わりつつあります。
一方で、セキュリティや税務に関する不安は依然として根強く、正確で信頼性の高い情報提供の重要性が改めて確認されました。
本レポートは情報提供を目的としており、いかなる投資勧誘や助言を構成するものではありません。暗号資産投資には高いリスクが存在し、投資判断は自己責任で行ってください。本レポートの内容の正確性、完全性、有用性について、いかなる保証も提供いたしません。投資に関する最終的な判断は、ご自身の判断で行い、必要に応じて専門家の助言を求めてください。




