「ブロックチェーンとは何か、あなたは人に説明できますか?」

この問いに自信を持って「はい」と答えられるユーザーは、わずか9.8%にとどまりました。

1,239名を対象にした本調査では、実に65%以上のユーザーがブロックチェーンを十分に理解しないまま暗号資産(仮想通貨)の取引を行っているという実態が明らかになっています。

技術の仕組みを知らないまま投資を続けることは、見えないリスクを抱えることでもあります。今こそ自分の理解度を見直してみましょう。

暗号資産(仮想通貨)投資をするなら、その根底にあるブロックチェーン技術について理解することは重要です。今回は、1,239名を対象に、ブロックチェーン技術に関する理解度、基盤技術の認識度、情報習得経路、投資経験と理解度の関連性について包括的に調査しました。

投資経験者の間でも理解度のばらつきが大きく、さらには技術的な基盤理解と実際の投資行動の関連性が必ずしも強くないことが明らかになりました。本調査結果は、暗号資産(仮想通貨)市場における教育的課題と投資家保護の重要性を強く示唆しています。

調査属性

区分

回答数

構成比

男性

763名

61.6%

女性

476名

38.4%

ブロックチェーン理解の実態

ブロックチェーン技術は暗号資産の根幹を成す技術であり、その理解度は投資家の意思決定品質に直接的な影響を与えます。

本調査では、複数の次元から理解度を測定しました。最初の質問は「ブロックチェーンについて、自分の言葉で説明できるか」というものです。

この質問に対して、「はい、説明できる」と回答した層は121名(9.8%)にすぎません。これは、説明可能なレベルの理解を有するユーザーが全体の約10%に過ぎないことを意味しています。

「だいたい説明できる」と回答した層は302名(24.4%)であり、説明可能層(9.8%+24.4%=34.2%)の合計は約三分の一にとどまります。一方で「説明は難しい」241名(19.4%)と「まったく説明できない」54名(4.4%)を合わせた説明困難層は約24%に達しており、相当な割合のユーザーがブロックチェーン技術について説明することに困難を感じています。

基盤技術の理解レベル分布

では、ブロックチェーンそのものを説明できることと、基盤技術全体を理解していることは同じでしょうか。

実は異なる次元の話なのでしょう。より広い視野での技術理解度を測定してみると、興味深い分布が見えてきました。「なんとなく理解している」という層が最も多く350名(28.2%)に達しており、これは「言葉は知っているが、体系的には理解していない」という状態を示唆しています。

「言葉は知っているが説明できない」層は182名(14.7%)であり、これは単語レベルでの認識はあるものの、その意味や役割について体系的な理解を欠いている状態と考えられます。

また「人に説明できる」層は127名(10.3%)でした。

注目すべきは、ブロックチェーン説明の可否を聞いた前の質問では「説明可能層」が34.2%だったのに対して、基盤技術理解では「説明できる層」(10.3%)が大幅に少なくなることです。

これは、ユーザーが用語レベルでは知識を有していても、根本的な技術理解が不足していることを示唆しています。

投資経験者における理解度のパラドックス

本調査で最も注目すべき発見の一つが、投資経験と理解度の関連性が必ずしも強くないという点です。

調査対象者のうち、投資経験を有する方は58.0%(718名)です。一方、投資経験のない方(521名、42.0%)も相当数存在しています。

つまり、ブロックチェーン教育の対象は投資経験者だけでなく、潜在的な顧客層にまで広がることが重要なのです。

さらに注目すべきは、投資経験者の中にも「説明は難しい」「まったく説明できない」という層が相当数存在することです。

情報収集先ランキング

ユーザーがブロックチェーン技術に関する情報をどこから取得しているかは、その理解度形成に大きな影響を与えます。本調査では「ブロックチェーンについての情報をどこから集めたか」という質問を複数回答で実施しました。

最も多い情報源は「YouTube」で412名(33.3%)です。動画コンテンツが、特に複雑な技術説明において視覚的理解を促進する効果を持つことが示唆されています。

第二位は「ニュースサイト」で267名(21.5%)です。業界ニュース、技術解説記事、市場分析などが、専門的な情報源として機能しています。第三位は「SNS」で260名(21.0%)です。

Twitter、Facebook、TikTokなどのソーシャルメディアを通じた情報シェアが、特に若年層ユーザーの情報取得に大きな役割を果たしていることが明らかになりました。

「書籍・専門メディア」222名(17.9%)、「知人」168名(13.6%)という順序で続き、多様な情報源が活用されていることがわかります。

投資家の主な不安ランキング

ブロックチェーン技術の理解不足は、ユーザーにおける様々な不安につながります。

本調査では「暗号資産(仮想通貨)投資に関して、どのような不安を抱えているか」という質問を複数回答で実施しました。

最も多い不安は「詐欺や不正に関する懸念」で367名(29.6%)です。技術的理解の欠落がもたらす詐欺への脆弱性が、ユーザーの潜在的な懸念として存在していることが明らかになりました。

第二位は「価格変動のリスク」で289名(23.3%)です。市場変動の本質的な理由を理解せずに投資している場合、心理的な不安が増幅される傾向があります。

第三位は「税金・申告に関する不安」で325名(26.2%)です。暗号資産(仮想通貨)の税務処理が複雑であり、その理解が多くのユーザーで不足していることが示唆さおり、「情報の正しさについての不安」255名(20.6%)、「仕組みがよくわからない」244名(19.7%)という回答も多く、全体的に技術的理解の不足から生じる多様な不安が存在していることが明らかになりました。

世代別の理解度クロス分析

ブロックチェーン技術の理解度は世代によって異なるパターンを示す可能性があります。

本調査の回答者は以下の世代構成となっています。Y世代(1981-1996年生まれ)がもっとも多く39.5%を占め、続いて氷河期世代(1970-1980年生まれ)が28.7%、Z世代(1997-2012年生まれ)が13.1%とと続きました。

世代

生年

回答者数

構成比

Y世代

1981–1996年生まれ

489名

39.5%

Z世代

1997–2012年生まれ

162名

13.1%

氷河期世代

1970–1980年生まれ

356名

28.7%

バブル世代

1960–1969年生まれ

118名

9.5%

YouTubeが最大の情報源である背景分析

本調査で最も興味深い発見の一つが、YouTubeが暗号資産(仮想通貨)・ブロックチェーン関連の最大の情報源となっているという点です。412名(33.3%)のユーザーがYouTubeを情報源として挙げており、これはニュースサイト(21.5%)、SNS(21.0%)よりも圧倒的に多いのです。

この背景として、複雑な技術概念を視覚的に理解することを求めるユーザーが多いと考えられます。

テキストだけでは理解困難なブロックチェーンの仕組みを、アニメーションや図解を通じて説明する動画コンテンツの有効性が高いのでしょう。

しかし同時に、YouTubeの情報の質は極めて不均一です。正確な技術解説を行うクリエイターがいる一方で、不正確な情報や扇動的なコンテンツを提供するクリエイターも存在しており、ユーザーがこれらを区別する能力がない場合、YouTube からの情報取得が理解度の向上ではなく、む しろ誤解の増幅につながる可能性があるため、注意が必要です。

経験年数と理解度の相関分析

投資経験者の中で、どの程度の経験年数を有しているかについても調査しました。1~3年程度の経験を持つ者が最も多く308名(24.9%)で、1年未満の初心者層は190名(15.3%)、3~5年層は122名(9.8%)、5年以上のベテラン層は98名(7.9%)となっています。

注目すべきは、投資経験年数が長いほどブロックチェーン技術の理解度が高いかというと、必ずしもそうではないという点です。長期の投資経験を有するユーザーであっても、その知識は実践的な投資スキル(テクニカル分析、ポートフォリオ管理など)に集中しており、根本的な技術理解には至っていない可能性があります。

つまり、「投資経験がある」ことと「技術を理解している」ことは異なる次元の能力であり、市場で求められる教育はこれら両者を統合的に提供する必要があるということを示唆しています。

ただし、暗号資産を安全に運用するために歯実務的な知識だけではなく、技術レベルまで深く理解しておく必要があります。その重要性を理解していないユーザーが存在していると言い換えることもできます。

「わかっていないけど投資している」リスク

本調査から明らかになった最も懸念される状況が、「わかっていないけど投資している」という層の存在です。

ブロックチェーン技術について説明できない、あるいは「なんとなく」理解しているだけのユーザーが、相応の金額を投資しているという状況は、多くのリスクをはらんでいます。

第一のリスクは、詐欺への脆弱性です。技術的理解が不足しているユーザーは、詐欺的なスキーム(ポンジスキーム、偽の通貨プロジェクト、詐欺的な投資顧問など)に容易に引っかかる可能性があります。

第二のリスクは、市場心理への過度な依存です。技術的根拠なしに投資判断を下す場合、市場センチメント、メディア報道、他者の推奨に過度に影響されることになります。その結果、投機的な行動が増加し、損失リスクが増幅されるのです。

第三のリスクは、規制環境への対応遅延です。暗号資産規制は継続的に変化しており、その背景には技術的な考慮が存在しています。技術理解が不足しているユーザーは、こうした規制環境の変化に対応する能力が低下する可能性があります。

第四のリスクは、心理的な負担の増加といえます。わかっていない中での投資は、価格変動時に過度な不安感や焦燥感を生じさせます。その結果、不合理な売却判断を下すなど、投資成績の悪化につながる可能性があります。

結論

本調査から明らかになりました知見をまとめると以下の通りでしょう。

第一に、ブロックチェーン技術に対する理解が市場全体で深刻に不足しているという点です。約65%のユーザーがブロックチェーンについて十分に説明できないレベルの理解にとどまっており、これは市場の成熟度を示す重要な課題です。

第二に、投資経験と技術理解の相関が弱いという点でしょう。投資を行っているユーザーの中にも、技術的理解が不足している層が相当数存在しており、これはリスク管理の観点から懸念される状況です。

第三に、情報源としてのYouTubeの圧倒的な支配力です。約三分の一のユーザーがYouTubeを最大の情報源としており、この傾向は今後も続くと予想されており、情報の質管理、リテラシー教育の重要性が増す中で、動画メディアの役割と責任がます大きくなるでしょう。

第四に、多様な不安が技術理解の欠落から生じているという点です。詐欺懸念、税務不安、市場変動への恐怖など、多くの不安が技術的理解の充実によって軽減される可能性があります。

調査概要

項目

詳細

調査対象

暗号資産(仮想通貨)投資に関心のある一般ユーザー 1,239名

性別構成

男性: 763名(61.6%)、女性: 476名(38.4%)

世代構成

Y世代: 39.5%、氷河期世代: 28.7%、Z世代: 13.1%、バブル世代: 9.5%、新人類世代: 5.6%、しらけ世代: 2.5%、団塊世代: 1.0%

投資経験

現在投資中: 503名(40.6%)、過去に投資: 215名(17.4%)、経験なし: 521名(42.1%)

投資経験年数

1~3年: 308名(24.9%)、1年未満: 190名(15.3%)、3~5年: 122名(9.8%)、5年以上: 98名(7.9%)

調査方法

インターネットリサーチ(オンラインアンケート)

調査時期

2026年2月

公開日

2026年2月24日

編集・作成

株式会社clabo編集部

本レポートは情報提供を目的としており、いかなる投資勧誘や助言を構成するものではありません。暗号資産(仮想通貨)投資には高いリスクが存在し、投資判断は自己責任で行ってください。本レポートの内容の正確性、完全性、有用性について、いかなる保証も提供いたしません。投資に関する最終的な判断は、ご自身の判断で行い、必要に応じて専門家の助言を求めてください。